【安仁屋宗八氏の眼】本来の強気を取り戻せば、カープ九里は勝てる
「広島4-7DeNA」(12日、マツダスタジアム)
広島先発の九里亜蓮投手(30)が5回3失点で6敗目を喫した。デイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏は6月2日以来、白星から遠ざかる昨季の最多勝右腕に「本来の姿を」と激励だ。
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九里が苦しんでいる。この日の投球を振り返ると、5回を投げて3度、先頭打者に出塁を許した。そのうち2度は四死球と、いわば“与えた”走者だ。
こうなると球数も増えてくるし、長いイニングも投げられなくなる。「あっぷあっぷ」の投球となってしまった。
その理由を想像するに、ボール自体は昨年と大きく変わるものではないだけに、精神的なものだろう。6月2日の日本ハム戦を最後に、勝てていないことが焦りにつながっているように見える。
九里の持ち味は「打てるものなら打ってみろ」とばかりに、打者に向かって行く強気の姿勢だ。それが好結果を呼び、昨年の最多勝につながった。
ここから9連戦と、投手陣に負担のかかるスケジュールだけに、九里にもチャンスは巡ってくる。それまでに気持ちを整理して、本来の姿を取り戻してほしい。
またこの日4三振だった秋山は、まだ調整不足もあるだろうし、長い目で見ながら上昇を期待すればいいのではないか。