広島・野間 七回逆転劇決めたV撃 マクブル、堂林コロナ離脱も「みんなで束になって」

 7回、右前へ勝ち越し適時打を放ち、ガッツポーズしながら一塁へ駆ける野間(撮影・立川洋一郎)
 7回、右前に勝ち越し適時打を放つ(撮影・山口登)
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 「広島5-3阪神」(20日、マツダスタジアム)

 広島・野間峻祥外野手(29)が決めた!2点を追う七回に同点に追いつくと、2死一、三塁から勝ち越しの右前適時打。4番・マクブルーム、堂林をコロナ陽性で欠く中、野手キャプテンがチームを救った。これで借金1。球宴まで残り3試合で貯金ターンを目指す。

 打球が右前に抜けると野間は一塁塁上でガッツポーズを繰り返し、ほえた。

 「ベンチ入りの野手が少ない中で何とか戦っていかないといけない。出た選手がどれだけ仕事をするかが大事。打てたことは良かったと思う」

 厳しい戦いの中、ミラクルが起こった。2点を追う七回。プロ初の4番に入った坂倉が左前打で出塁。1死後、長野は三塁内野安打で一、二塁。ここで小園は右前打。処理を慌てた佐藤輝がグラブからこぼす失策の間に1点を返した。

 さらに続く1死一、二塁で磯村の飛球を今度は近本が落球で満塁。代打・羽月は二ゴロも併殺を免れ同点。野間が2死一、三塁で右前適時打を放ってついに勝ち越した。相手の2失策のスキを突いた逆転劇だった。

 今季最大のピンチだった。コロナ禍で4番・マクブルーム、17日・巨人戦で逆転満塁本塁打を放った堂林の2人を登録抹消した。だが、2軍は16日から大量の陽性者を出したため活動停止中のため誰も招集できなかった。31人の1軍登録枠は28人で、26人のベンチ入りも1人余して戦った。

 先発要員の野村、森下もベンチ入り。野手が足りないため、イニング間のキャッチボールを森下が手伝う場面もあった。佐々岡監督は試合後、「野村は中(リリーフ)。森下の場合は緊急事態ということで、最後の最後に何かあったときの“打”の方で入れました」と森下の代打起用の可能性があったことを明かした。

 限られた人数の中、総力戦でもぎ取った勝利だ。指揮官は「みんなで危機を乗り越えていかないといけない。一人一人が自覚を持ってやっていると思うし、人数が少ない中でも、みんな共に戦っていた。だからこそ、ああいう逆転劇が起こるんだと思います」と熱い思いを口にした。

 球宴まで残り3試合は4番抜きでの戦いを強いられる。野手キャプテンは「みんなで束になって、まずは3試合。一戦一戦みんなで戦っていきたい」とチームの思いを代弁した。逆境に負けない強さを発揮してみせる。

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