広島・森下 直球の秘密 代名詞自ら解説、縦回転のボール意識してたら、こんな感じに
広島の森下暢仁投手(24)がデイリースポーツ読者に本音をさらけ出す一人語り『直向(ひたむ)きに』。第4回のテーマは『投球フォーム』。代名詞の伸びのある150キロ超のストレート。これを生み出すゆったりとした投球フォーム。今回は連続写真を自ら解説してもらいました。
デイリースポーツ読者のみなさん、森下暢仁です。今回は『投球フォーム』についてお話します。
自分のフォームをきれいと言ってもらうこともあるのですが、意識したことはないです。きれいな縦回転のボールを投げることを意識していたら、こんな感じになった。こういうフォームで投げたいというよりは、結果、今のようなフォームになったと言った方がいいのかもしません。
では、投球を見てみましょう。連続写真を見るのは久しぶりです。一つずつ解説してみますね。
(1)の構えは大分商のころは両手を頭の後ろまで上げるワインドアップでした。明大に入ってから今の形にしました。上まで手を上げると手から球種が見られるので、今の形になりました。
連続写真で一番注意して見るのは(4)の右足一本で立った姿です。そこからホームベースに向かって、無駄な動きがないように心掛けています。なので、ここで真っすぐに立てていることはチェックするポイントの一つです。
この時に、上げた左足が止まっているように見えます。これは高校のころに上体が突っ込む投げ方をしていたので、直すために下半身から動いていけるように、というイメージでこうなっていったと思います。あまり止めるという意識はないんですけど。
次に投げ出していくのですが、連続写真を見ると、お尻からでもなく、手も使っていますね。自分のイメージとしては下半身から動くように、上半身が先に行かないように意識しています。
(7)(8)(9)を見ると首が一塁側の方向に倒れているように見えます。自分としては倒れては投げたくはないです。この写真は球種がカーブだと思うんですけど、それもあって倒れているのかな。ボールにきれいな縦回転をかけたい。シュート回転とかをさせたくないので、こういう投げ方になっていったのかなと思います。高校とか大学のころは一塁側に倒れていることが多かった。だいぶ修正できているのかなと思います。
(10)からフィニッシュにかけて左足が地面に真っすぐ立てています。ここでは、しっかりと地面をつかむという意識を持つようにしています。その結果、だんだんフィニッシュで体が一塁側に倒れることがなくなり、両足が着く形になっていきました。
余談ですが、守備の数字が良いと聞きました(刺殺数、併殺数、守備率はいずれもリーグトップ)。両足が着くフィニッシュが守備に影響しているのではと言われましたが、フィールディングは得意なんで、フィニッシュは関係ないと思います(笑)。
投球フォームで誰かをマネたり、参考にしたこともないです。理想のフォームは?と聞かれるとダルビッシュさんとか田中将大さんですね。連続写真を見ても顔が真っすぐできれいに腕が上がって、めっちゃきれいに投げてるなと思います。でも、投げ方は人それぞれ、どれが正解かは分かりません。
これからもより良いボールを投げられるように取り組んでいきます。進化を楽しみに見ていてください。(広島東洋カープ投手)