カープ・アンダーソン 援護なし 6回3安打1失点と試合つくるも不釣り合い4敗目
「広島0-3中日」(30日、マツダスタジアム)
球場からため息が漏れる中、広島・アンダーソンは夜空に伸びていく打球の行方を見つめた。喫した黒星とは不釣り合いな6回3安打1失点の粘投。結果的に一発が悔やまれたが、責められる投球ではない。傷口を最小限に食い止め「全体的に試合はつくれたかな」と振り返った。
三者凡退は初回のみと苦しんだが、粘ってしのいだ。二、三回は併殺打でピンチの芽を摘んだ。それだけに本人が「ただ、一つ悔しい場面」と唇をかんだのは五回。先頭のレビーラに浮いたスライダーを完璧に捉えられ、左翼スタンド上段に突き刺される先制ソロを浴びた。相手はキューバ出身の新外国人。「スイングがすごく力強いので、気を付けないといけない」と今後の対戦に備えて警戒度を高めた。
20日・阪神戦以来の先発と少し間隔が空いた右腕。この日は口ひげをたくわえる“ニュースタイル”で登板したが、女神を振り向かせることはできなかった。
4四死球を与えながら1失点にまとめた点は次への光。7日以来の4勝目は逃したが「一生懸命投げた結果、走者が出るのはどうしようもない。その後、アウトを奪って(流れを)切ることができたので良かった」とアンダーソン。思惑通りに進まなくても、心は乱さない。殊勝な姿勢が報われると信じたい。