広島・秋山、サヨナラ打ァ 九回3点差大逆転!連敗大脱出! ピースナイターで大仕事
「広島6-5阪神」(6日、マツダスタジアム)
広島が劇的な逆転サヨナラ勝ちで連敗を7で止めた。3点を追う九回に連打と敵失などで同点とし、なおも1死二塁から秋山翔吾外野手(34)が移籍後初のサヨナラ打を放って試合を決めた。チームは今季6度目のサヨナラ勝利で、後半戦初白星。今季の阪神戦カード勝ち越しを決め、ここから再び上昇気流に乗る。
高まる期待を肌で感じた。最後の最後にファンへ届けた歓喜の瞬間。秋山の心は燃えていた。「この打席だけは凡退できないな、と思いました」。菊池涼が本塁に生還してサヨナラの瞬間を見届けると、両手を大きく広げてガッツポーズ。駆け寄るチームメートからの祝福が何よりうれしい。移籍後初、自身4度目のサヨナラ打でチームの窮地を救った。
3点ビハインドの九回にドラマが待っていた。小園、会沢が連打で好機を演出し、上本の内野安打に対し二塁・小幡が悪送球。この間に1点を返すと、さらに菊池涼の遊ゴロを中野がファンブルして2者が生還。試合を振り出しに戻し、なおも1死二塁から秋山が右前へはじき返した。
九回までの4打席全て外野フライで凡退。押せ押せムードで飛び出した一打に「ここで打てなかったら、明日も嫌な感じだなと思っていたので、腹をくくっていけました。もう、チームの雰囲気の中で打てた一本でした」と興奮気味に振り返った。
特別な一戦だったからこそ、負けられなかった。この試合は「ピースナイター2022」として実施。選手は袖にピースワッペンを付けて試合に臨んだ。8月6日の夜、ナインとファンが平和への思いを共有した。
「広島の皆さんにとっては忘れられない日だと思います。僕も外から来た人間ですが、野球ができていること、応援してもらえることをこれからも心に秘めて皆さんとともに、この日を忘れずにやっていきたい」と気持ちを新たにした。
前日にはマクブルームが新型コロナ感染から1軍に復帰。この日は西川も復帰し、故障やコロナ禍によって離脱した主力野手は全員が1軍ベンチに顔をそろえることになった。
佐々岡監督は「広島にとって特別な日で、いろんな思いを持って臨んだゲーム。野手陣がそろってきた中、いい勝ち方だった」と目を細めた。長いトンネルを抜け出し「これからもここにとどまらず、上を目指してやっていきます」とお立ち台で宣言した秋山。背番号9が真夏の反攻を支える。
◆秋山が広島入団後初、自身4度目のサヨナラ打 秋山のサヨナラ打は西武時代の2016年6月10日・中日戦以来、6年ぶり。これまでの3度は【1】11年9月16日・楽天戦=中安打【2】12年9月5日・ソフトバンク戦=右本打【3】16年6月10日・中日戦=中安打。