カープ九里 69日ぶり先発星 愛息の「最近ヒーローインタビューで見ないね」に奮起

 「広島4-1ヤクルト」(10日、マツダスタジアム)

 広島・九里亜蓮投手(30)が先発として69日ぶりの5勝目を挙げた。6回5安打8奪三振無失点の力投で、ヤクルト戦は今季初白星となった。7月中旬には自身の復調も期して中継ぎとしてのマウンドも踏んだ右腕。ベンチとファンの期待に応え、チームを8月初の連勝、4カードぶりのカード勝ち越しへと導いた。

 気迫を前面に押し出して、九里は最後の力を振り絞った。六回2死一塁でオスナを三ゴロに仕留めると、グラブを叩いて感情を表した。6回5安打8奪三振で無失点。先発では6月2日・日本ハム戦(マツダ)以来、69日ぶりの白星だ。蓄積したもどかしさに別れを告げる、再出発の勝利。「勝てたことが素直にうれしい」。試合後に交わした仲間とのハイタッチが心を潤してくれた。

 初回は1死一、二塁で村上を一ゴロ、2死二、三塁からサンタナを中飛に打ち取って何とか無失点。二回も先頭からの連続四球でピンチを招いたが、得点は与えなかった。

 球数は二回を終えて46球。過度な慎重さから、リズムに乗れなかったが「自分の中で大胆に行けていない部分もあった。磯村といろんな話をしながら。考えながら配球してくれた」と磯村に感謝し、三回からは主導権を握った。流れを渡さず116球の力投で勝利への下地を整えた。

 前回4日のDeNA戦(横浜)では先発して四回途中まで完全投球を披露していたが、降雨ノーゲーム。好投しても白星がつかめず、かみ合わない日々が続いた。7月17日の巨人戦(東京ド)では3年ぶりに救援登板して復調のきっかけを探るなど、自身と向き合ってきた。

 そんな中、先日は愛息から「最近ヒーローインタビューで見ないね」と言葉を掛けられ奮い立った。「何が何でも抑えて、ここに立ちたいと思って投げていました」。ファンと息子に勇姿を届けた。

 佐々岡監督は「不安定な立ち上がりでしたが、三回以降は何とか粘ってくれたかな」と評価しつつ「もっとリズム良く、ストライク先行でしょうね」と立ち上がりから隙を見せない投球を要望した。

 床田、アンダーソンと先発2枚を欠く中、前日は後輩の森下が今季初完封。「森下がいい投球をしてつないでくれた。残り試合は少ないですが、投げる試合ではチームが勝てるような投球をできるように」と九里。潮目を変える1勝をきっかけに波に乗る。

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