「ＤｅＮＡ３－０広島」（２１日、横浜スタジアム）

　素直に、バットを出した。広島・プロ３年目の韮沢が五回２死から大道の代打で登場すると、そこまで被安打３と好投のＤｅＮＡ京山の３球目、カウント１－１からの１４１キロスプリットを逆方向へはじき返し、プロ５試合、１０打席目での初安打となる左前打を記録した。

　５月３日の巨人戦でプロ初出場（代打で四球）も、その後出番なく同５日に出場選手登録を抹消され、そこから再びファームでレベルアップに取り組む日々を送った。

　パンチ力も魅力だが「タイプ的に打率優先だなと見つめ直した」という取り組みで力を付けてきた。

　そして８月１６日。コロナ禍による、レギュラーの複数離脱を受け、再合流。１７日の中日戦でプロ初スタメンを果たし、バットでは３打数無安打も延長十一回に犠打を決めてサヨナラ勝利に貢献。

　そしてこの日の、待ちに待った１本を「やっと打てたな」と素直に喜んだ。

　コロナ禍による昇格も気にする必要などない。韮沢は「もちろんチャンスだと思っている。必死ですね、毎日」。ここで答えを出せばいいだけだ。「両親にあげようかと」という記念球。もっとでっかいプレゼントを渡せるよう「自分の役割をしっかりと考えて貢献できるように」と存在感を高めていく。

　◆韮沢雄也（にらさわ・ゆうや）２００１年５月２０日生まれ、２１歳。新潟県出身。１７８センチ、８３キロ。右投げ左打ち。内野手。花咲徳栄から２０１９年度ドラフト４位で広島入団。花咲徳栄では２年夏と３年夏に甲子園出場。プロ初出場は２２年５月３日・巨人戦（マツダ）で代打。初スタメンは同年８月１７日・中日戦（マツダ）で８番・二塁。