広島・森下が語るエースの条件「このチームはこの投手と思われる人」明大で感じた“重み”
広島の森下暢仁投手(25)がデイリースポーツ読者に本音をさらけ出す一人語り『直向(ひたむ)きに』。第5回のテーマは『エースの条件』。プロ3年目、現在チームトップの10勝を挙げる右腕。『エース』の称号への思い、これまで見てきた『エース』の姿。そして自身の未来について、たっぷり語ってもらった。
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デイリースポーツ読者のみなさん、森下暢仁です。今回は『エースの条件』についてお話しします。
エースを最初に意識したのは大分商のころかもしれません。1年上の笠谷さん(ソフトバンク)はエースで、キャプテン。どんな試合も自分が投げて当たり前、一番なんだという雰囲気が印象に残っています。
明大ではエースの“重み”を感じました。歴史があり、レベルの高いリーグ。その中で明治大学という大きな看板を背負う。歴代のエースの方々はプロでも活躍されている。いただいた背番号の一つ一つに重みがありました。
大学のエースナンバーは11番。3年のときにいただいたときは、期待してもらえているとうれしかった。付ける以上はリーグ戦の1戦目に投げて、2戦目勝てなければ3戦目も投げる。そういう気持ちを持って受け取りました。
というのも1年のときに柳さん(中日)のイメージが強烈だったからです。柳さんはキャプテンなので背番号10を付けていましたが責任感のある投手というか、常にマウンドにいるという感じでした。技術的なこと、体力的なこと、それからリーグ戦で優勝を目指してモチベーションを高めていく、監督をはじめ周りの方々の雰囲気づくり。そして、エースの重み。いろんなことを学んだ4年間でした。
ここからが本題です。『エースの条件』。プロ野球のエースと呼ばれる人は他球団から見てこのチームはこの投手と思われる人だと思います。セ・リーグだったら菅野さん、大野雄さん、今永さんとか。パ・リーグだったらいっぱいいますね。千賀さん、(山本)由伸もそうですし、共通しているのは圧倒しているというところ。相手チームが嫌がるような投手だと思います。
カープのエースは大瀬良さん。自分が入団してからの3年間、開幕投手を務めてこられたようにチームから信頼されている。
今の自分はエースの条件を満たしているのか?まだ3年目という気持ちもあるし、3年間、先発ローテーションでまわらせてもらって、ずっと投げてきた自信もあります。足りないところは勝てるところで勝てないところ。今年は10勝していますが、自力で勝てたという試合が本当に少ないなと思っています。点数を取られても取ってもらって勝った試合が多いので、そういうところが弱い。接戦でも勝ちきれる投手になりたい。
自分はエースになりたいというよりも、自然と言われるようになればいいと思っています。
もしも『エース』の称号を手に入れたなら投げる試合は勝ちたい、勝たないといけないというモチベーションにもつながっていく。もちろんプレッシャーもあると思いますが、エースと呼ばれることで、もっともっと強くなれると思います。
近い将来、監督、コーチ、チームメート、そしてファンのみなさんにそう呼んでもらえるように、自分ができることをしっかりやりたいと思います。(広島東洋カープ投手)