広島・大瀬良 1軍復帰即一仕事 チーム連敗止めた7回0封「伝わればいいかなと」
「広島2-0DeNA」(2日、マツダスタジアム)
エースにやっと笑顔が戻った。不振で2軍調整していた広島・大瀬良大地投手(31)が1軍復帰先発し、7回6安打無失点の好投。7月1日以来、63日ぶりの8勝目をつかんだ。これで昨季からDeNA戦は自身8連勝となった。チームの連敗も3で止まり、4位に浮上。今季のDeNA戦の勝ち越しも決まった。
ベンチ前でキャッチボールを行っていた大瀬良が、力強く右手を突き上げた。六回裏、待望の援護点が入った。課せられた期待は裏切れない。「この1点を投げている間は守り切りながらやっていこうと。散々、迷惑を掛けていた。何とか勝って連敗を止めたい気持ちが強かった」。7月1日・巨人戦以来63日ぶりの8勝目に、笑みが浮かんだ。
初回は2死一、二塁を無失点。四、五回は得点圏に走者を背負ったが、決定打は許さない。最速148キロの直球に変化球を織り交ぜて、本来の粘り強い投球で仲間を鼓舞した。
初回からギアを上げて7回6安打無失点。「力強い球を投げて『きょうのゲーム、いくぞ』と。そういうところでも、チームに伝わればいいかなと。少し走者を出してしまったけど、ゼロで抑えて(その後に)つながっていったところは良かった」とホッとした表情で振り返った。
8月13日に出場選手登録を抹消。2軍戦の登板を挟まず、この日を迎えた。「体のコンディショニングを整えて。考えられることは全てやりました。調整登板もなく上がってきて、大丈夫かなと思って見ていた人もたくさんいるとは思うんですが、結果で応えるしかなかった」。重圧を背負いながら示した“満点快投”。戦列を離れた期間のもどかしさ、そしてエースの意地を白球に込めた。
2軍再調整の期間には、1軍で先発登板を控えた大道から助言を求められた。後輩右腕とは年明けの合同自主トレも実施。「本当にタイプとして(大道は)似ているというか、僕の若い時と一緒だと思う」と自身の若手時代に姿を重ねる。1軍同様、2軍にいても常にチームへの献身的な姿勢は変わらない。CS出場へ望みをつなぐためにも落とせない大事な一戦。1軍マウンドに戻ってきたエースが勝利に導いた。
チームは連敗を3で止め、4位に浮上。DeNA戦の連敗も6でストップさせた。右腕の働きに佐々岡監督は「本当に粘り強く投げてくれた」と賛辞を惜しまなかった。今後に向けて「残りの試合もチームの勝ちに貢献したい」と大瀬良。大黒柱には、まだまだ大きな仕事が待っている。