【安仁屋宗八氏の眼】カープ栗林の回またぎ解禁を 逆転CSへ佐々岡監督の積極的采配に期待
広島OBでデイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏(78)が5日、残り16試合となったチームに攻めの姿勢を求めた。逆転でのCS出場を勝ち取るため、今季一度もない守護神・栗林の回またぎなど、勝利を目指すための積極的采配に期待した。3位・阪神とのゲーム差は2。最後の力を振り絞り、白星をつかみとる時期だ。
◇ ◇
1つの白星が順位を大きく左右する時期が来た。残り16試合はラストスパートを仕掛けなければならない。注目するのは栗林の起用法だ。勝利をもぎ取るために、絶対的守護神をフル回転させてほしい。
右腕は今季41試合に登板し、回をまたいだ試合は一度もない。今後は同点、もしくはリードを許している場面での起用や、ピンチが訪れた八回途中からマウンドに送り出すことがあっても良いと思う。
勝っている展開以外での投入は、戦うナインにチーム一丸のメッセージを送ることになる。死力を尽くす姿を見れば、野手陣が燃えないはずがない。ほかのブルペン陣もそう。準備をする姿を見れば刺激になるはずだ。
現役時代の佐々岡監督も96年に5日連続セーブを挙げたことがあり、同じグラウンドに立っていた選手は刺激を受けていた。時代は違うが、選手に与える影響は変わらない。
今の時代、回またぎや連投による故障を心配する声は多く聞く。佐々岡監督も気配りをしてきた。栗林は今月上旬に「任せてもらえるなら投げるつもりでいますし、そのくらい(の気持ち)じゃないとダメかなと。与えられた場所で仕事ができるように頑張る」と言っていたと聞いた。意気に感じるタイプの選手。期待していい。
総力戦で戦う終盤戦。個人的に投手は大瀬良、野手は坂倉の活躍がカギになるのではないかと思っている。大瀬良は本来の姿が戻ってきた。坂倉も打撃状態は上向き加減なだけにチームに貢献してほしい。
最後に、佐々岡監督には攻めの采配を貫いてほしい。スタメンに関しては、基本的には固定しながら、調子の良い選手をどんどん起用してもらいたい。勝負どころと感じた場面では、ためらわずにカードを切っていい。選手はきっと応えてくれるはずだ。