カープ上本10年目通算477打席目の初弾 「本当にたまたま」パ首位打者モデルの新相棒で
「ヤクルト7-15広島」(10日、神宮球場)
広島・上本崇司内野手(32)はバットを高々と放り投げた。左腕・山本の初球142キロを捉えると打球は左翼席に飛び込んでいった。プロ10年目、通算477打席目でついに初本塁打を記録。1イニング12得点の球団タイ記録に貢献した。
「本当にたまたまというか。うれしいのはうれしいですね。(記念球は)娘にプレゼントします」
三回、猛攻ですでに11得点を挙げていた。その中で、トドメのトドメとなった一発。実は白木のバットは前日から使い始めたという、日本ハム・松本剛のモデル。パ首位打者の打撃を見て「使ってみたい」とメーカーに頼んだという。
今季はプロ10年目で初の開幕スタメンを勝ち取り、開幕6連勝に大きく貢献。シーズン前の評論家諸氏の低評価をバネに「やっちゃろうや!」の掛け声をお立ち台から発した。
初めてのレギュラー。5月には疲労のため調子を落とした。7月には下半身のコンディショニング不良で登録抹消。何度も何度も危機を迎えながら、はい上がってきた。
本塁打だけでなく、試合数などキャリアハイの記録が並ぶ。安打、打点など今季だけで過去9年の通算を越えた。それでも浮かれるところはない。
「本当に1つも落とせないので、勝ちに貢献できるように仕事をしたいと思います」
困ったとき、この男は本当に頼りになる。
◆広島選手、主なプロ10年目以上での初本塁打 プロ10年目の上本がプロ初本塁打。広島選手では井生崇光がプロ13年目だった2011年7月15日・中日戦(ナゴヤドーム)でプロ初本塁打を記録。また、プロ11年目の白浜裕太が14年5月25日・西武戦(マツダ)で記録。