【安仁屋宗八氏の眼】広島は逆転CSへ「やりきった」と思える残り6試合に
広島は台風接近の影響を受け、18、19日の中日戦(マツダ)が中止となった。うち1試合は20日に振り替えられ、もう1試合は未定。残り6試合にCS進出がかかる戦いの中、デイリースポーツ評論家・安仁屋宗八氏(78)は、首脳陣、選手ともに〝出し尽くす〟ことを求めた。
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残り6試合の考え方だが、先発陣をまんべんなくはめ込んでいくのではなく、まずは九里、森下を2試合先発させるスケジュールを組むことを、優先させたい。その4試合は計算できるものとして、残り2試合をがむしゃらに勝ちに行く。
さらにその九里、森下も含め、ピッチング内容に不安が出てくるようであれば、早い回から迷わずリリーフ陣をつぎ込んでいく。
17日のDeNA戦では先発の玉村が四球、四球と立ち上がり苦しんで失点したが、結果的には五回途中まで投げさせた。打線の爆発があって、快勝することができたが、今後はもっともっと早めの投手交代があっていい。
例えば大瀬良に対して、佐々岡監督はエースという立場に対しての配慮、遠慮もこれまで見えた。が、それによって代え時が一歩遅れることもあった。
しかし今は、心を鬼にしてでも、CS出場権確保に動くべき時だ。
ケムナや矢崎、森浦といったところが今、いい状態になってきており、誰もがイニングまたぎもできるメンバーだ。先発が早めの降板となれば、「その先発投手のために」と、より発奮する気持ちも持ち合わせている。
言葉は悪いが「ぶっ壊れても」の気概で、ベンチ入りしている投手陣全員が、全試合投げるくらいの気持ちを出して、ベンチも、選手も「やりきった」と思えるシーズンにしてほしい。
その上で、例えば試合数の多い巨人が広島より上に来たのであれば、それは不可抗力。満足感は残るし、悔しさは来年への糧となるはずだ。