カープ栗林 回またぎで力尽きる 指揮官「いかせた僕の責任」 CSピンチの4位後退

 「広島3-5中日」(20日、マツダスタジアム)

 広島が痛い1敗を喫した。3-3の延長十一回に栗林良吏投手(26)が2失点した。守護神は延長十回から登板。この回を無失点で終えたが、回をまたいだ延長十一回に先頭・高橋周への四球から走者をためると、岡林に左翼線へ勝ち越しの適時二塁打を浴びた。この黒星で4位タイに後退し、勝率5割以下も確定。チームは逆転でのCS出場へ、崖っぷちに立たされた。

 その瞬間、午後10時を過ぎても戦況を見守っていたファンからため息が漏れ聞こえた。仲間が執念を燃やしてつないでくれた勝利へのバトン。だからこそ、悔やんでも悔やみ切れない。延長十一回、栗林が勝ち越しを許して、最下位・中日に競り負け。CS進出へ、手痛い黒星を喫した。

 ただ、力投の守護神は責められない。試合後、佐々岡監督は「栗林で負けたということはしょうがない。2イニング目にいかせた僕の責任です」と静かに語った。

 守護神は同点の十回からマウンドに上がった。ビシエドを遊ゴロ、続く木下を遊直。2死から代打・堂上を空振り三振に斬って三者凡退と、上々の内容でスコアボードに0を刻んだ。しかし、悪夢は続く十一回に訪れた。

 先頭の高橋周を四球で出塁させると、その後2死一、二塁のピンチを迎えた。ここで岡林に2球目をしぶとく左翼線に落とされた。悲鳴にも似た声が、グラウンドにこだまする。大きな1点を献上すると、ビシエドには三塁への適時内野安打。2点を勝ち越され、栗林は無念の途中降板となった。

 もつれにもつれたシーソーゲーム。1点リードの七回は5番手・ケムナが2死二塁から阿部に左中間を破られ、適時二塁打で試合を振り出しに戻された。だが勝ち越しは阻止。そして同点の八回は、不動のセットアッパーとなった矢崎がマウンドに上がった。2死から土田に四球を与えたが、代打・後藤を150キロ直球で中飛に料理した。相手に傾きかけた流れを、その投球で自軍に引き戻した。

 守護神はこの日の失点で今季2敗目。連続無失点も20試合で途切れることになった。だが、これまで勝負どころでピンチを切り抜けてチームを何度も救ってきた背番号20は責められない。

 21日は移動日なしで敵地・甲子園に乗り込み、CSを争う阪神との直接対決が控えている。「当然もう(残り)5試合なので、一戦一戦。一戦必勝でいくしかないです」と指揮官。今こそ鯉の意地を示し、全員野球で白星をつかみ取る。

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