レッテルを貼られた選手たち 林、末包ら出場機会に恵まれず カープ低迷の原因を探る

今シーズンは1軍での出番がなかった林
ポスト鈴木誠也として期待された末包だったが…
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 4年連続Bクラスに終わったカープ。開幕ダッシュで期待感は高まったが、終わってみれば5位。就任3年目の佐々岡真司監督(55)は低迷の責任を取って辞任した。失速の原因は何だったのか?来季、浮上に必要なものは?デイリースポーツ取材班と評論家陣が全5回で検証する。今回は第4回。

  ◇  ◇

 今季1軍で出場したのは54選手。支配下登録選手は68人。14人は出番もなかった。手術明けの選手らプレー自体が不可能な場合もあるが、この数字は多い。優勝したヤクルトは70人中62選手が1軍でプレーした。

 佐々岡監督は実績重視の起用を基本とした。就任3年目、勝負の年と位置づけた。化ける可能性もあるが、失敗も覚悟しなければならない若手よりも経験に期待した。

 疑問が残ったのは4年目の林に1軍出場がなかったことだ。昨季は102試合に出場し、打率・266、10本塁打、40打点の“実績”を残した。ポスト誠也の期待も高かった。ところが、開幕を前に2軍落ちすると2度とお呼びが掛かることはなかった。

 首脳陣はキャンプ中に「このままでは打てない」と断じていた。実際2軍では打率・217、2本塁打、27打点と不振に終わった。だが、昨季1軍昇格したのはコロナで大量に離脱者が出たときだった。当時の2軍の打率は・255でしかない。急きょの昇格。それでも1軍では2軍戦を上回る成績を残した。つまり、環境に合わせて進化することがあるということだ。林にも1軍での出場機会があったならば、昨年のような爆発があったかもしれない。試す機会はあっても良かった。

 ルーキーの末包もポスト誠也として期待された1人だった。キャンプから実戦では4番を打たせ、本職ではない一塁にも挑戦させた。応えるように開幕戦でいきなり猛打賞など頭角を現したかに見えた。ところが次第に出番を減らしていく。5月23日には登録抹消。この時点で打率・304。得点力の低いチーム、3割打者を外すのはファンからは奇異に映った。

 「明確な弱点があるから落とした」

 首脳陣の答えだ。できないとレッテルを貼られるとチャンスはなかなか訪れない。

 末包は8月に再び昇格。2日・DeNA戦、代打で三塁打を放つと翌3日は『6番・一塁』で先発。しかし、2軍ではほとんど一塁には就いていなかった。安打は放ったが守備で失策などミスをすると途中交代。2度と先発出場の機会は訪れず間もなく2軍に戻っていった。

 ある若手は2軍落ちしたときつぶやいた。

 「何のために1軍に呼ばれたんですかね」

 安打を放ったあと、数試合出番がなく登録抹消となった。

 首脳陣から「2軍から上げる選手がいない」と嘆く声を何度も聞いた。本当にそうだったのだろうか。まさか、こんなに活躍するとは。そんな選手はいつの時代もどのチームにもいる。どうせできないとレッテルを貼られたからではなかったか-。(デイリースポーツ取材班)

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