広島・新井監督への期待は右の大砲作り 北別府氏「あのガムシャラさで若手を鍛えて」
広島は新監督に球団OBの新井貴浩氏(45)を迎え、再出発を図ることになった。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は、コーチ未経験の同氏が低迷するチームを率いるのは「苦労も多く苦難の道かもしれないが、やりがいがそれを上回るだろう」と語る一方で、「将来の4番を任せられる右の大砲」の育成を求めた。
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カープはFAで出ていった選手がチームに戻ることはないと思っていたが、新井氏は選手、そして監督としても戻ることになったのだから、その人格に加えて指導者としての期待もうかがえる。
私も投手コーチ時代に彼と重なっており、謙虚な人柄は当時から感じていたね。それと性格的に明るく気概のある人で、先頭に立ってチームを引っ張っていくタイプ。
佐々岡監督は同じように大変いい人柄だったけど、どちらかと言うと物静かなタイプで、いわば静と動。チームカラーは変わるだろうね。
コーチ経験がない上に4年連続Bクラスに苦しんでいる状況での監督就任。これからチームを建て直していくわけだから、彼の野球熱を思うとやりがいだらけだろうが、苦難の道かもしれない。
しかし、彼なりのやり方で指導者としての経験を積みながら、強いチームを作っていってくれるでしょう。指導者経験のない人を招聘するからには、球団も長い目で見ていくつもりだろうしね。
時には“これは違う”という采配もあるかもしれないが、ファンの人たちもある程度は温かい目で見守るような気持ちでいてほしいね。
ただ、私からの注文は1日でも早く大砲と呼ばれる打者を育てること。将来の4番を任せられる日本人の右の長距離砲。堂林には期待していたんですけどね。新監督には鈴木誠也のような選手の育成をぜひお願いしたい。
新井氏は自分自身がガムシャラに練習して鍛えて、そしてはい上がり、本塁打や打点のタイトルを取った。そういう選手の出現を期待したいね。鍛えて大きくなる選手。
最近は育成途中に故障してしまう選手も多いけど、新井氏には少々のことでは壊れない頑強さがあった。それも素材のよさと言えるのではないかな。新人補強でも、自身のようなそういうところに目を向けて獲得してほしいね。
今年のチームは長打力に乏しかった。かと言って足も使えなかった。まずは広島らしい機動力を取り戻してほしい。これは意識すればすぐにでもできるはず。
投手陣に関しては、2~3年活躍したからまた勝てるだろうと過度な期待をかけると“ヤケド”をする。1年でガラっと変わって調子が落ちてしまうことがよくあるからだ。そのあたりの見極めも必要だね。
新生広島カープ。来年1年は満足いくまでチーム作りをして2年目以降が勝負。そんな構え方でいいんじゃないですか。期待が膨らみます!