カープ矢野「ヒッチ」打法に挑戦 丸を研究で打撃アピール

 広島の矢野雅哉内野手(23)が「みやざきフェニックス・リーグ」で新フォームの習得に励んでいる。構えた位置から一度グリップを下げてからトップを作る「ヒッチ」と言われる動作を取り入れた打ち方だ。同打撃は巨人・丸が代表格。来季のレギュラー奪取を目指して試行錯誤の日々を送る。

 ひと目で変化がわかった。矢野は一度グリップを下げ、そこからトップをつくるフォームで打ち出した。いわゆる「ヒッチ」だ。新たな打撃フォームに挑戦する理由を、こう明かした。

 「僕は間が短くて、1軍では内角の球をさばけなかった。差し込まれたりして、凡打もそれが多かった。もっと間が取れるようにするために始めました」

 柳から放ったプロ初本塁打は、内角カットボールを鋭く振り抜いたもの。ただ、記念弾以外で内角球に対応できた打席は少なかった。「これまでは基本的にトップの位置を固め、そこから打ち出していた」。これまでの野球人生で、ここまで大がかりなフォーム変更はない。それでも殻を破り打撃でアピールするため挑戦する道を選んだ。

 「すごく感覚が良かった」

 今季終了後、広瀬2軍打撃コーチの提案を受けヒッチを取り入れた。実戦では安打にならなくても凡打の内容も良い。手応えがある。

 参考にするのは、同打撃フォームで結果を残し続けている丸だ。何度も何度も動画を見返し参考にしている。「丸さんは打ちにいくとき(右足側の)壁ができている」。踏み込んだとき右膝が開かないようにしたり、踏ん張れるようになることが今の課題だ。

 今季は55試合に出場し、スタメン出場は19試合を数えた。これまでは守備固めだけでも試合出場できれば良いという思いが「少しはあった」。今は違う。「(試合の)始めから出る面白さを味わった。来年はレギュラーを狙っている」。そう言って前を向いた。

 守備範囲の広さや肩の強さなどは負けないものがある。定位置を奪い取るための課題は打撃だ。「何かをつかみたい」。31日まで日南の空の下で汗を流す。成果と課題を手にしながら新打法を身に付ける。

 ◆矢野 雅哉(やの・まさや)1998年12月16日生まれ。大阪府出身。内野手。右投げ左打ち。身長171センチ、体重70キロ。大阪平野富士ボーイズで野球を始める。高校は兵庫・育英に進学。甲子園出場経験はない。亜大に進学し、3年秋のリーグ戦で首位打者を獲得。4年時は主将を務めた。20年ドラフト6位で広島に入団した。

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