カープドラ1・斉藤優汰 ドラ1の決意 でっかい投手になる 次代のエースへ
「2022プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が20日、東京都内のホテルで行われ、広島はドラフト1位で斉藤優汰投手(18)=苫小牧中央=の交渉権を獲得した。次代のエースと期待される右腕は、球団創設の理念を継承し、広島に夢と希望を与える大きな投手になることを誓った。
ユニホームに袖を通すと自然と白い歯がこぼれた。1位指名を公表していたカープから、斉藤は単独指名を受けた。「なかなか似合ってるなって思いました」。同級生や後輩たちに囲まれ、また笑顔の花を咲かせた。
「すごく光栄です。いち早く1軍で活躍できるように、小さなことから一生懸命取り組んで頑張りたい」
プロを意識したのは2年秋。最速148キロを計測したときだった。高校で野球に区切りをつけると決めていたが「行きたいという気持ちが強くなった」。
寮では朝2杯、夜3杯のご飯を平らげ、夜食でも5杯食べてきた。座右の銘は中学2年のときに漫画で知った「習慣は第2の天性なり」。毎日小さな積み重ねの継続が球速アップにつながり、カープから素材型ではナンバー1の評価を受けた。
「球団の創設目的が、広島の街に希望の光を与えるためにと聞きました」
会見では、そう言って力を込めた。
13日の広島1位指名公表を受け、球団史に目を通した。原爆投下で広島の街は焼け野原に。「75年間は草木も生えない」と言われた街に、戦後復興の象徴として誕生したのがカープだった。
「そういう理念だったんだなと納得しました。広島のみなさんに勇気を与えられるよう頑張りたい」
理想の投手像は、直球で空振りを奪える投手。対戦してみたい打者に挙げたヤクルト・村上からも「三振が奪えたら最高」と力を込めた。身長189センチ、体重91キロの恵まれた体格から投げ込む本格派右腕は伸びしろ十分。最多勝も目標としながら、パワーピッチャーとしてプロの世界に飛び込む。
来季から新井新監督が指揮を執る。「頼もしさがあって優しさの中にも厳しさがあるようなイメージ」と思いを巡らせた。新監督はチームを「家族」と表現する。広島を笑顔にしたい思いは共通だ。
グラウンド横にある控室の壁には今年のカープカレンダーが飾られている。横井副部長が昨年末に何げなく飾ったものだった。
「ファンのみなさんに応援される選手になりたい。頑張ります」。北の大地で育った豪腕が、大きな夢を抱いて広島の地を踏む。
◆斉藤優汰(さいとう・ゆうた)2004年5月27日生まれ、18歳。北海道出身。189センチ、91キロ。右投げ左打ち。投手。今夏の南北海道大会では準決勝で札幌大谷に敗戦。苫小牧中央では甲子園出場経験なし。直球の最速は151キロ。持ち球はスライダー、カーブ、フォーク。奪三振率の高い本格派右腕で、2学年上に根本悠楓(日本ハム)がいる。