カープ白浜に戦力外通告 球団捕手最長タイ鯉一筋19年 計6選手がチームに別れ
広島は22日、マツダスタジアムで白浜裕太捕手(36)ら6人に、来季の契約を結ばないことを通達したと発表した。白浜は今季2年ぶりに1軍出場を果たしたものの、4試合の出場に止まった。広陵から03年度ドラフト1位で入団し、球団捕手最長タイとなる19年目を迎えていた。今後は未定となっている。
白浜は真っ先に感謝の思いを伝えた。広島のユニホームを着たのは19年。球団捕手としては最長タイの年数となる。「ここまでできたことに関して、松田オーナーに感謝しています。一緒に戦って来た先輩、同級生、歴代の監督、コーチ、全ての人にも感謝しています」と語った。
記憶に残るのは、プロ初安打だ。11年10月20日の中日戦。九回にサヨナラ打を放った。「みんなが僕以上に喜んで走って来てくれる顔を、今でも鮮明に覚えている」。入団8年目での記念打。自身だけではなく、たくさんの人の思いが詰まっていた。
1軍出場は、通算90試合で打率・153。出番に恵まれなかったり、若手の台頭があったりと、2軍暮らしは長かった。それでも、気持ちを含めて準備を怠った日はない。貫いた信条だった。
球団からはスタッフなどの打診を受けた。「考える時間が少ないですけど、考えたい」と話すにとどめた。現役引退を含め、今後については家族と相談しながら決断していく。
「(チームは)本当に家族みたいな感じだった。何かあったら助け合うということが、本能的にできる選手がたくさんいる。その中で自分ができたのはすごく思い出に残りますし、誇らしい」
36歳は、そう言って顔を上げ、前を向いた。