広島ドラ2・内田 未来の「4番・サード」へ“新井ロード”突き進む 二刀流は封印
広島のドラフト2位・内田湘大内野手(18)=利根商=が26日、群馬県みなかみ町にある同校で高山スカウトらから指名あいさつを受けた。ドラフト後に投打の“二刀流”を希望していたが、球団から野手として育成する方針を伝えられた。18歳は野手一本での勝負を決意。新井新監督の現役時代のように猛練習を積み、「4番・三塁」を奪取すると意気込んだ。
迷いはなかった。高校通算36本塁打を放った内田は、投手としても最速149キロを誇る。ドラフト指名後は投打“二刀流”へ意欲を示していたがこの日、高山スカウトから野手としての育成を告げられた。野手一本での勝負を決意。その胸には、新井新監督の言葉が響いていた。
「新井監督が一番、期待を寄せてくれているということを聞きました。あとは未来の4番を担ってほしいと。監督が走ってきた道を走っていきたい」
ドラフト会議前日の19日だ。広島は都内で新指揮官を初めて加えスカウト会議を開いた。数十人の野手候補から新井新監督に強く印象を残したのが、内田だったという。
新井新監督が評価した点について「スイングです」と高山スカウト。力強い打撃から広角に鋭い打球をはじき返すのが最大の魅力。新指揮官は長距離砲としての素質を感じ取った。
右打者としての長打力を高く評価する球団は、三塁手としての育成プランを描く。三塁を守った経験がほとんどなく、内野ノックでは「(三塁手は)打者との距離が近いのでバウンドを合わせたりするのが難しい」とこぼした。それでもグラブさばきが柔らかいなど伸びしろは十分だ。
現役時代の背番号「25」は、ユニホームを泥だらけにしながら猛練習に耐え、守備力を磨いた。自身の就任会見で「カープの伝統は猛練習。寝ていてはうまくなれない」と厳しい一面を見せたのがその象徴だ。
一夜にして技術の向上はない。流した汗の分だけうまくなる。内田も覚悟を決める。「厳しい練習だと思うけど、けんか腰にいったらケガをする。楽しみながらやりたい」。苦しくても持ち前の明るさと声を出しながら白球に食らいつく構えだ。
指名あいさつを受け、未来の4番候補は「改めて身が引き締まる思い。これから頑張っていこうという気持ち」と力を込めた。内田が大きな打者になるための一歩を踏み出した。
◆内田湘大(うちだ・しょうだい)2004年9月22日生まれ、長野県佐久市出身。183センチ、89キロ。右投げ右打ち。小学2年から野球を始め、利根商では投手兼一塁手の“二刀流”。3年夏の群馬県大会で2試合連続本塁打をマークし、4強に導いた。MAX149キロ。兄・耀晴さんとは双子、弟と妹も双子。