カープ森下 悩み抜いて右ひじ手術 熱望WBCは絶望的 来季へ向け決断
広島は27日、森下暢仁投手(25)が群馬県館林市内の病院で右肘関節鏡視下骨棘(こっきょく)切除、右肘関節内滑膜切除の手術を26日に受けたと発表した。投球再開まで3、4カ月の見通し。出場を目指していた来年3月のWBC出場は絶望的となったが、シーズン開幕には間に合う見込みだ。
森下にとってまさに苦渋の選択だった。26日にいわゆる右肘のクリーニング手術を受けた。蔦木トレーナーは「一般論でいうと投球再開まで3-4カ月ぐらいがメド」と説明。これにより、出場を熱望していた来年3月のWBC本大会へは絶望的となった。
プロ3年目の今季はチームで唯一、1度も先発ローテーションを外れることなく投げきった。チーム最多の10勝(8敗)を挙げ、リーグ最多の178回2/3を投げた。だが、8月16日に2試合連続完封したのを最後に6試合、白星から遠ざかった。シーズン終盤には「疲れはあります」と吐露したこともあった。
それでもシーズン終了後には、11月に予定されていた侍ジャパンの強化試合出場に向けて道を探ったが、状態は上がらなかった。
昨年の東京五輪で金メダルに貢献した森下にとって、WBC出場は大きな目標の一つだった。
「WBCは一番レベルの高い野球。相手も強いし、選手一人一人の戦う姿勢を見てもすごいところでやっているのが伝わってくる。出てみたい」
シーズンの疲労を理由に辞退者もいる中で、本戦出場に向けてアピールするために強化試合参加を快諾した。そこまで強い思いがありながら辞退し、手術を決断した。長い野球人生を見据えて、悩み抜いた末の結論だ。
夢は叶わなかったが、終わりでない。昨季、ロッテ・石川は6月に同様の手術を受け、9月には1軍で先発に復帰した。森下も退院すればリハビリを開始。来季へ向けて動き出す。キャンプインから合流を予定しており、順調にいけば開幕には十分間に合う。「いつかやってみたい」という、開幕投手も夢ではない。
世界との対戦は先延ばしとなった。が、右肘に不安がなければ、新人王を獲得したプロ1年目のような剛腕復活は間違いない。
チームは新井新監督の下、5年ぶりの優勝を目指す。その中心に森下がいるはずだ。