カープ 現役ドラフトで〝課題〟補強に成功 巨人からリリーフ左腕・戸根獲得
日本野球機構(NPB)は9日、「現役ドラフト」をオンラインで開催し、広島は巨人から戸根千明投手(30)を獲得した。プロ8年間で通算158試合に登板した経験豊富な左腕。森浦、塹江、ターリーに続くリリーフとして期待がかかる。また、広島からは正随優弥外野手(26)の楽天移籍が決まった。
出場機会に恵まれない選手の救済を目指して行われた初の試み。その中で広島は左腕リリーバーの戸根を獲得。補強ポイントをしっかりと押さえた。
鈴木球団本部長は指名した理由を「うちは左がそんなに豊富じゃないし、左1枚いればいいかなというところだった」と説明した。
今季の左腕リリーフは森浦を筆頭にターリー、塹江らが中心に担ってきた。ほかに2年目を迎える黒原、ドラフト6位・長谷部(トヨタ自動車)もいるが、未知数。プロ通算158試合に登板し、5勝2敗3セーブ18ホールドと経験豊富な左腕が加入することでブルペンに厚みを増す。
戸根はスリークオーターから投げ込む重い直球と独特の変化をするカーブ、スライダーが武器のリリーフ投手。入団1年目の2015年にはいきなり46試合に登板、16年には侍ジャパンの台湾との強化試合にも招集された。今季は9試合の登板にとどまったが、広島は十分に戦力になると判断した。
また、打者としてもパワフルなスイングが認められ、20年は二刀流に挑戦したこともあった。21年6月29日の広島戦(東京ド)で、大瀬良からプロ初安打初打点を記録したのも不思議な縁か。
松田オーナーは「いいんじゃないか。球の切れいいし。昔もジャイアンツが取らなかったら取っていたかもしれなかった」と高評価。14年度のドラフトで指名リストに上がっていたことを明かした。
戸根は巨人広報を通じて「この8年間は僕にとってかけがえのない素晴らしい時間でした。優勝を経験させていただき、また自分の可能性を広げるために二刀流にもチャレンジさせていただきました。さまざまな経験をさせていただいたことを本当に感謝しています。これからはライバルチームになりますが東京ドームやマツダスタジアムで僕らしく元気に腕を振っている姿をお見せできるように頑張ります。チームは変わりますがこれからもよろしくお願いいたします」とコメントを寄せた。
今季の5位から上位浮上を目指す新井カープに新たなピースが加わった。
◆広島・新井監督(巨人から獲得した戸根について)「体にパワーもあるし、野球センスもある。あとは腕の振り。僕も現役時代に対戦したことがありますけど、一番彼のいいところは投げっぷりですよね。打てるものなら打ってみろという投げっぷり。こうしてご縁があってカープの一員になるので。彼は経験もありますし、会える日を楽しみにしています」