カープ加入の戸根 左キラー宣言 村上封じじゃ!今季鯉投手陣13被弾の天敵抑える
現役ドラフトで巨人から広島に加入した戸根千明投手(30)が19日、マツダスタジアムで入団会見に臨んだ。経験豊富で貴重な中継ぎとして期待される左腕はヤクルト・村上封じに意欲を示した。今季、チームは村上に13本塁打を許し、ヤクルトとの対戦成績も8勝16敗1分けと負け越した。戸根が4番を抑え込み、白星への道を切り開いていく。
義理の母から贈られた赤いネクタイを身に着け壇上に上がった。無数のフラッシュを浴びた戸根は白い歯をこぼす。「こんなに人に囲まれるなんて久しぶり」。カープで始まる新たな野球人生。思いを言葉に変えた。
「特に左打者に関しては絶対に抑える自信を持っている。まずはそこを絶対に抑えていきたい」
“三冠王”封じへ期待が高まる。ヤクルト・村上だ。今季、広島投手陣は主砲に打率・340、13本塁打と打たれた。対戦成績も8勝16敗1分けと大きく負け越し。4番に仕事をさせないことが来季勝利への道になる。
戸根は「僕は苦手意識は全然ない」と言い切った。今季2打数無安打を含め過去3年間で6打数1安打2奪三振と抑えている。
「彼が打席に立つと自分の能力以上のものが結構出る。あの年で三冠王を取って本当にすごい選手ですし、NPBでも数少ない自分の潜在能力以上を出させてくれる大打者」
古巣の巨人へ移籍した長野との再戦も心待ちにした。日大の先輩でもあり以前から親交がある。広島移籍が決まった際にも報告。「いろいろ配慮していただいた」と、長野を通じて広島関係者や大瀬良、磯村らから電話があったという。
7月16日の対戦(東京ドーム)では満塁本塁打を浴びた。「対戦する時は絶対あると思う。しっかり胸に投げ込んでいこうと思います」。“恩返し投球”を誓った。
今季、救援左腕は森浦、ターリーが中心だった。通算158試合登板と経験豊富な左腕加入はブルペンに厚みをもたらす。背番号は49に決定。「新井監督が表現されたように打てるものなら打ってみろ、という気持ちは投手として一番大事だと思う。そこがしっかりしていれば球に乗り移る」。闘志をむき出しにして腕を振る。
◆戸根 千明(とね・ちあき)1992年10月17日生まれ、30歳。京都府出身。174センチ、100キロ。左投げ左打ち。投手。石見智翠館から日大を経て14年度ドラフト2位指名で巨人入団。1軍通算158試合で防御率3・96。20年には2軍で投手以外にも指名打者と左翼手で計13試合に出場して33打数5安打、打率・152で“二刀流”の経験を持つ。