大減俸の広島・田中広輔はこのまま終わるのか 北別府氏は小園の伸び悩みに言及
オフの契約更改で大減俸となった広島・田中広輔内野手(33)は再起できるのか。年俸は1億5000万円から3000万円へ。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は、伸び悩みの見える小園の成長に言及。ベテランと若手の激しい競り合いを期待した。
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田中広輔の今年の成績を見れば大げさではなく、よく契約してもらえたと思うよ。3連覇に貢献した実績を配慮してくれたんじゃないかな。
(田中の今季成績は出場41試合で40打数8安打、0本塁打、1打点。打率・200。6月20日に出場選手登録を抹消されてからは、1度も1軍に昇格することなくシーズンを終えた)
レギュラーを張っていたころの姿は見る影もないぐらいの低い数字。昨年、小園にショートのポジションを奪われてからは、ほとんど存在感をなくしてしまっているよね。
少し厳しい言い方になるが、今の田中からは必死さ、悲壮感を感じない。頑張っているという声は聞こえてくるけれども、それが私たち見ているものに、もう少し伝わってくればいいのだが。
4年前に右ひざを手術してから田中らしさが消えているね。2020年は何とかレギュラーの座を守ったが、昨年から小園と完全に立場が逆転している。“ショートは小園一本で”という首脳陣の起用方針も関係したのかな。
ただ、小園が伸び悩んでいるのだから、ポジションを奪い返すことは必ずしも不可能ではないはず。年だからというほどの年でもない。田中はまだ33歳。若いですよ。
求めたいのは激しいポジション争いだ。昨年の小園からは“田中を抜こう”という必死さが感じられたけど、今年は安心しているのか守りに入っているのか。
気になるのは小園のライバルがいないというところ。今季、小園以外にショートを守った選手はほとんどいない。これでは高いレベルの競争が望めない。そういう意味もあって球団は田中を残したのかもしれないけどね。絶対に切磋琢磨できるライバルは必要だからね。
(今季、小園以外の選手が遊撃の守備についた試合は試合途中も含めて矢野12、上本8、田中2)
レギュラーを固定するのはいいことだが、それが原因で競争力が落ち、伸び悩んでは意味がないからね。
田中には来シーズンが最後のつもりで意地を見せてもらいたい。それぐらいの覚悟が必要だと思う。そのためにも143試合に出る体力をつけることだね。
現役時代、一緒に戦った新井監督の期待に沿うことがチームのためにもなる。彼の復活があれば大きな力になることは間違いない。私もこのベテランの巻き返しを大いに期待しています。