広島ドラ4清水 父の言葉が高校25発の原点 「左で打った方が当たる感じがする」

 広島に育成選手を含め10人の新人選手が来季、加わる。支配下選手の連載第4回はドラフト4位・清水叶人捕手(18)=高崎健康福祉大高崎=だ。高校通算25本塁打の強打者は、野球を始めた当初は右打ちだった。左打ちに変更したきっかけや負けず嫌いな性格など、無限の可能性を秘めた18歳の軌跡をたどる。

 強打の捕手として高校通算25本塁打を放った。力強く振り切るスイングが清水の持ち味だ。打撃の原点は、父・秋広さんの何げない一言にあった。

 3歳年上の兄・翔太さんに影響を受け、小学1年時に軟式野球チーム・美土里タイガースで野球を始めた。生まれたときの利き手は左手。そのため入団当初は「左投げ」だった。その後、右利きだった兄のグラブを使い始めたことで右投げに変更。スイングは、兄をマネして始めた「右打ち」のままだった。

 「お父さんに左打ちをやってみたらと勧められたんです。そっちの方が良くて左打ちになりました」

 自宅近くのバッティングセンター。小さな体で一生懸命バットを振る息子の姿を見た秋広さんがピンときた。「左で打った方が当たる感じがするんじゃないかな…と思った」と秋広さん。体の使い方やしぐさなどが左打ちに適していると見抜いた。

 その言葉で清水は転向を決断した。かつて「左投げ右打ち」だった少年は「右投げ左打ち」に。その変更が広島からのドラフト4位指名につながった。

 負けん気の強さも清水の武器だ。小学時代には試合に出たい思いを隠そうとはしなかったという。秋広さんは「監督の前で素振りをし始めたことがあった。代打は俺だと言わんばかりにです」と懐かしがった。

 翔太さんの存在も刺激になった。ポジションは同じ捕手。一歩先を行く兄から多くを学びながら、その背中を追いかけていた。「ライバル心を持ちながら追い付け、追い越せで頑張って来た」と秋広さん。大きな目標があったことが成長曲線を伸ばしてきた。

 プロでは「打てる捕手」を目指す。二塁への送球タイムは最速1・77秒と、プロでもトップレベルのタイム。武器の強肩でもアピールをしていく。

 入団会見では、ファンから「10年後の自分を想像すると理想は?」の質問に、「1億円プレーヤーになりたい」と言って会場を沸かせた。でっかい夢を抱き、清水がカープのユニホームに袖を通した。

 ◆清水叶人(しみず・かなと)2004年7月6日生まれ、18歳。群馬県藤岡市出身。176センチ、83キロ。右投げ左打ち。捕手。高崎健康福祉大高崎では高校通算25本塁打を放ち、二塁送球タイムは1秒77。21年のセンバツに背番号「12」でベンチ入りした。遠投110メートル、50メートル走6秒7。憧れの選手はレッドソックスへの入団が決まった吉田正尚。

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