カープ新井監督 「つないでは共通」箱根駅伝Vの駒大に興奮 新人訓示3分
広島・新井貴浩監督(45)が8日、“駒大スピリット”を胸に今季に臨む意向を示した。母校は年明けの箱根駅伝で2年ぶり8度目の総合優勝。金字塔を打ち立てた後輩たちの姿をテレビで目にし、刺激を受けたと明かした。この日は初日を迎えた新人合同自主トレを視察。選手たちには焦らず調整するように訓示を行った。
画面に目を凝らしながら、新井監督は手に汗を握っていた。新春の風物詩、箱根駅伝。母校・駒大の戦況を見守りながら、自然と応援に力が入った。「粘って、よく逃げ切ったよね。母校ということもあるし、すごく刺激をもらった」と年明けの興奮を明かした。
駒大は往路で優勝。復路では一度も先頭を譲らず後続を引き離して、史上5校目の「大学駅伝3冠」を達成した。「やっぱり勝負というのは箱根駅伝もそうだけど、紙一重。最後はやっぱり積み上げた努力で逃げ切ったのかなと、自分はそう捉えている」。後輩たちの健闘から、学ぶものがあった。
駅伝は選手たちが各区間でしのぎを削り、全体の順位を争う。個人同士の勝負である一方で、チームスポーツという構図は野球と似通っている。「タスキをつないでいくという点ではね。継投もそうだし、攻撃も。みんなでつないで、つないでというところでは共通したところがあると思う」。
さらに「(駅伝は)チームプレー。だから多くの人が感動するんじゃないかな」と指揮官。リードを保ちながら投手陣が必死に腕を振る。攻撃も各自が役割を果たしつつ、得点を重ねる。個人同士の勝負でありながら、そこにあるのは集団の“群像劇”。学生ランナーたちの姿に、野球においても肝要な「つなぎの意識」と「粘り強さ」を重ね合わせた。
この日は大野練習場に足を運び、新人合同自主トレ初日を視察。練習の合間には全10選手を集め、約3分間の訓示を行った。「彼らに言ったのは焦らないこと。何もかも初めての環境で初めての経験なので、知らず知らずのうちにオーバーペースになりがちになる。焦る必要はないから、じっくりやるように」と背中を押した。
監督自身、プロ1年目の自主トレでは「張り切り過ぎてキャンプの第1クールでケガをした」と苦い経験がある。だからこそ、ブレーキをかけながら調整する重要性を伝えたかった。「ハツラツとして、いい動きをしていた」と新井監督。“1期生”たちの姿にも目を配りつつ、理想のチームを構築していく。