カープ秋山 成長途上の若手を支える 坂倉も小園も「サポートしてあげたい」
広島の秋山翔吾外野手(34)が10日、静岡県下田市の吉佐美運動公園での自主トレを公開し、若鯉に“一意専心”の心構えを説いた。レギュラー定着などを目指す若手に対しては、思い切ってプレーすることだけに集中してほしいと力を込めた。自身はサポートを約束し、チーム一丸で頂点を目指す。
レギュラー、代打、代走、守備固め。選手には役割があり、それぞれが仕事を遂行しながら勝利を目指す。秋山は若鯉の背中を強く押す言葉を投げかけた。自らの力を発揮するために全力を尽くしてほしい。“一意専心”の姿勢を求めた。
「これからレギュラーで出てくる選手、控えでも1軍を初めて経験する選手も少なからず出てくる。若い人はとにかく思い切ってやってほしい」
自身の経験からだ。西武での若手時代、レギュラーを目指して戦う中で、考え過ぎて打席に立ったり守備に就いたことが「しんどかった」と振り返った。
そんな時、先輩選手の言葉に助けられた。
「『とにかく思い切ってやっていい』『カバーしてやるから』と言ってもらったことがすごく残っている」
成長の一助になった。勝利を目指す上で役割はある。それでも若手にとって失敗を恐れないプレーから得られる経験値は何物にも代え難い。
「サク(坂倉)とか小園とか。特にサクは捕手でフル出場していこうというのなら、まだ自分のことだけ考えてやってほしい。若い選手が思い切ってやっていくことがチームの刺激になる」
昨季127試合出場の小園は今季真の正遊撃手を目指し、坂倉は捕手一本で定位置奪取を狙う。成功と失敗を繰り返しながら、個々がレベルアップすることでチームは強くなる。
もちろん「サポートしてあげたい」と後方支援を約束した。助言を送りつつ、自らのプレーでチームを勝利に導く覚悟。その準備に余念はない。
下田での合同自主トレには同僚の宇草をはじめ、阪神・板山、日本ハム・五十幡らが参加し、ティー打撃など約3時間、打ち込んだ。昨年は質にこだわったが、今年は「振る方は追い込んで」と原点回帰。途中加入した昨季は44試合の出場。フル出場を目標に掲げる今季を前に、徹底的に振り込んで土台をつくっていく。
「これだけ偉そうなこと言っているので、自分でもプレッシャーをかけてるなと思う。それぐらいの気持ちでやらないと、僕自身、うまくいかない」
頼もしい言葉。秋山の決意がにじんだ。