カープ森下 右肘手術から復帰の今季「もう4年目なんで、なんか一歩抜けたい」

 大声を張り上げながらダッシュを繰り返す森下(撮影・田中太一)
 キャッチボールをする森下(撮影・田中太一)
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 広島・森下暢仁投手(25)が16日、右肘手術からの復活を目指す今季に向けて「もう4年目なんで、なんか一歩抜けたい」と突き抜けた成績を残すことを目標に掲げた。昨年12月にキャッチボールを再開。遠投ができるまでに回復している。現状では復帰時期未定ながら1軍昇格即フル回転でチームを勝たせる。

 右肘手術の影響を感じさせない。森下の特徴である、右肘を柔らかく使う投球フォームは健在だった。15日から大野練習場で始まった合同自主トレ。もちろんまだ全力ではないが、キャッチボールの距離が50メートル程度になっても力むことなく、軽々と投げた。

 昨年10月に右肘のクリーニング手術を受けた。12月にはキャッチボールを再開。年末年始、地元・大分に帰ってからもトレーニングを続けてきた。

 「どんどん自分の中では強いボールというか、しっかり腕を振れてキャッチボールができている感じです」

 リハビリは順調に進んでいるが、焦りも口にする。

 「正直、周りで強い球を投げたりしているのを見るとやっぱり焦りはあります。どのタイミングでどのくらいの準備をどこまですればいいのか、自分でもつかめない。こういうのが初めてなので」

 競争を勝ち抜かなければならない立場の選手たちは、仕上がりが早い。強く腕を振る姿に焦りはある。だが、新井監督からは1軍合流後の途中離脱は厳禁ときつく言われている。まずは完璧な状態を作ることに集中する。

 現状では復帰時期は未定となっている。それでも今季に向けて「もう4年目なんで。1年目、2年目、3年目なんか、同じような成績で、何かちょっと一歩抜けたいなっていう気持ちがある」と言った。キャリアハイではなく、それ以上の結果を求めるシーズンと位置づけている。

 3月のWBCで侍ジャパンに招集され、投げるのが目標だった。そのため、11月の強化試合にもアピールのために参加するつもりでいた。だが、右肘の状態が万全でなく、シーズン途中の離脱の可能性を考え、日の丸を断念し、手術を選んだ。だからこそ、今季は成績を残さなければならないのだ。

 「勝ち切れるところで勝たないといけない。競った試合で終盤打たれたことも多かった。そういうターニングポイントで抑えられるようにしたい」

 全力で投げられないもどかしさと戦いつつ、完全復活まで地道な努力を続ける。その先にひと回り大きくなった自分がいると信じて。

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