広島の田村俊介外野手（１９）が２８日、廿日市市の大野練習場での合同自主トレに合流した。２６日に行われたスタッフ会議で、２年目で初の１軍春季キャンプ帯同が決定。松山直伝の“脱力打法”で、２月１７日から沖縄市である２次キャンプ行きの切符を勝ち取る意気込みだ。

　力感のないフォームに見えた。それでも打球音は誰よりも大きかった。７日から約２週間、鹿児島で行っていた松山との合同自主トレ。田村が注力したのは“脱力打法”だ。

　「構えたときから、バットを握らないくらいの感覚で力を抜いています」

　打力アップを目指し松山塾に入門。初日のティー打撃ですぐさま指導を受けた。昨季は長打を狙うあまり「結構、力を入れて打撃をしていた」。そのスイングを見直した。

　意識するのはヘッドを走らすスイング。力を抜き、バットをしならせるようなイメージを持ち、反復練習した。「伸びが初日と最後では違う。めちゃくちゃ勉強になりました」。打球の質の違いに手応えを感じていた。

　２６日のスタッフ会議で秋山、野間、西川らに加え１軍春季キャンプ帯同が決まった。参加４３人中、１９歳は最年少となる。

　「うれしい気持ちはあります」。一瞬だけ喜ぶと、すぐさま気持ちを切り替え、表情を引き締めた。

　「メンバーを見てもすごい人ばかり。しっかりとついていって、沖縄に行けるように頑張りたい」

　次の目標は実戦が本格化する１７日からの沖縄２次キャンプ参加。松山に指導を仰ぎ、磨きをかけた打撃。日南で存分にアピールする。

　◆田村　俊介（たむら・しゅんすけ）２００３年８月２５日生まれ、１９歳。京都府出身。１７８センチ、９０キロ。左投げ左打ち。外野手。背番号６０。明徳義塾中では軟式野球部に所属。愛工大名電では１年春からベンチ入り。２１年度ドラフト４位入団。２２年はウエスタン４３試合で１３０打数２４安打１１打点。打率・１８５。１軍出場なし。