広島・九里 うなる剛球 米国武者修行の収穫あり!平均球速UPへ「新たな発見」

 キャッチボールで力強く投げ込む九里(撮影・田中太一)
 大瀬良(左)と一緒に走り込む九里
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 広島の九里亜蓮投手(31)が29日、マツダスタジアムでの合同自主トレに合流した。米国での自主トレを終えて28日に帰広。約1カ月間、メジャーリーガーらも利用するアリゾナ州の施設「ドライブライン・ベースボール」で投球フォーム解析などを行い、球速アップにつながるヒントを得た。大きな収穫を手に、今季は直球で打者をねじ伏せる投球を目指す。

 投球フォームを確認しながら丁寧に腕を振った。キャッチボール相手の大瀬良は力のある球に何度もうなずく。3年ぶりの米国自主トレ。九里は球速アップにつながる道を見つけてきた。

 「新しい発見があった。本当に言語化するのは難しい。でも捻転差のなさだったり、下半身の使い方だったり、そういうところを修正していくことで球に力が伝わっていく」

 昨年12月28日に渡米し、アリゾナ州の「ドライブライン・ベースボール」を拠点にした。米国の最新テクノロジーが採用されているトレーニング施設だ。

 到着翌日から練習を開始。体にセンサーを取り付けて投球フォームを解析し、約30項目のデータを取った。変化球の数値は合格点をもらった一方で、直球は改善を求められた。

 「体の使い方の部分だったり欠点がたくさんあった。でも欠点を知れたのは良かった」

 直球で打者をねじ伏せる投球を目指す今季。武者修行の目的の一つが平均球速アップだった。昨季「143~144キロ」だったものを140キロ台後半に上げるため、課題が明確になったことは収穫だった。

 解析後は、重さが異なる球を投げるなどのトレーニングで投球フォームを修正。現地では既にブルペンにも入った。現状の完成度は50~60%。それでもはまったときの直球には手応えがある。

 「体の使い方を覚えて筋力を上げてやっていけば球速は上がる。すごく楽しみ」

 昨季は6勝9敗、防御率3・33。終盤には中継ぎへの配置転換を経験するなど悔しさを味わった。「このままでは勝っていけない」。強い危機感を胸に臨んだ米国自主トレでつかんだヒントは無駄にはしない。春季キャンプを通じて投球フォーム完成を目指す。

 2021年は1日347球の投げ込みをしたことがあったが、今年は調整方法も変更する。「ブルペンでは球数は多くないけど、全ての球を全力で投げるみたいな感じになる。継続してやって、意識するんじゃなくて無意識にできるようにしたい」。力強い真っすぐを投げ込むため、汗を流し続ける。

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