カープ栗林 WBCで野球人気復活を 「そう思ってもらうためにもまずは勝つ」

 広島・栗林良吏投手(26)が6日、3月に開催される「カーネクスト 2023 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」に向けてデイリースポーツのインタビューに応じた。野球人口減少に心を痛める右腕は、初参加の大会へ向けて不安な思いを吐露しながらも、世界一奪還で野球人気復活を目指す。

 -第1クールで3度のブルペン入り。順調に仕上がっているか。

 「そうですね。投げることに関しては、予定通り来てるかなと思います」

 -今後の予定は。

 「次のクールで打撃投手をして、その次のクールで紅白戦に投げさせてもらって、(侍ジャパンの宮崎合宿へ)出発っていう形、今のところはしてます」

 -3月にWBCが開催される。今キャンプは緊張感が強いか。

 「いや、焦りが強いです。やっぱり早く仕上げなきゃいけないとか、100%の状態を今まではオープン戦とかに合わせてたので、オープン戦で悪くてもシーズンまでにという気持ちでしたけど、キャンプで100%に持っていって代表入って調整というのが一番いいのでそういう意味では焦りを感じて練習はしています」

 -湧き上がってくるモノが出てきたか。

 「今はそんなにないっていうのか、同じチームで会話する選手もいないんで、本当に自分一人でそれに向けて、ただ黙々とやってるって感じです」

 -チームメートとモチベーションが違う。

 「自分だけ調整を早くしなきゃいけないってのもありますし、東京五輪の時とかは、やっぱキクさん(菊池)、誠也さん、(森下)暢仁、アツさん(会沢)もいましたし、その時はやっぱり五輪の会話もありましたけど。みんなからは頑張ってとか、そういう言葉なので、実感はまだまだ湧いてないかなとも思います」

 -WBCの思い出は06年の第1回大会準決勝で見た代打・福留の代打2ランと話していた。

 「小学生だったので夢はプロ野球選手でしたけど。その舞台でやりたい、だとかは全く思っていなくて、本当に、一野球ファンとして憧れの選手が出ていた身として応援していた。頑張ってほしいなって。勝って喜ぶ感じでした」

 -夢中で見た試合か。

 「お父さんも野球好きですし、家族で見たりとか、あのときはマクドナルドでWBCの“世界をつかもう”という下敷きだったか、クリアファイルだったかを出していた。そういう意味で記憶に残っているのはあるのかなと思います。マクドナルドのおかげで身近に感じたというか、記憶に残っています」

 -今大会を見る子どももたくさんいる。

 「野球人口が減ってきているのが問題になっている。WBCを見たときに野球をやってみようとか、今やっている子たちもそこを目指してとか、プロ野球選手になりたいだとか、メジャーリーガーになりたいだとか、思ってもらうことが一番大事だと思う。そう思ってもらうためにもまずは勝つこと。あとはがむしゃらに戦うことで勇気や元気を与えられると思うので。そういうところが大事かなと思います」

 -サッカーのW杯も勝つことで日本国中が盛り上がった。

 「迷惑を掛けないことしか考えることができないので、まずは個としてベストの調整をしてレベルアップして代表に入ることが一番大事だと思う。チームが勝つために自分の調整に100%努力して準備できたらいいのかなと思っています」

 ◆福留の韓国戦、代打決勝2ラン 2006年3月に開催された第1回大会準決勝の韓国戦で両チーム無得点で迎えた七回に代打・福留が決勝2ラン。この試合まで主に3番として期待されながら結果が出ずスタメン落ち。不振に苦しんだ中での一発でチームを勢いに乗せて初優勝に貢献した

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