広島・黒田アドバイザー 深めた絆 今後も新井鯉サポート約束「できる範囲でチームの力に」
「広島2軍春季キャンプ」(16日、日南)
広島の黒田博樹球団アドバイザー(48)が16日、春季キャンプの全日程を終えた。この日は天福球場で練習を開始した2軍に合流し、若鯉に指導や助言を行った。4日にチームに合流し、5日から本格的に始動。1、2軍を問わずに自身の経験などを伝えてきた。今後は未定ながら、できる限りチームに貢献していく。
最終日も精力的だった。キャッチボール中には2軍に降格した藤井に声をかけ、ブルペンでは塹江、高橋、岡田ら投球練習した選手に助言を送った。黒田球団アドバイザーは対話を重視しながら最後まで自らの経験を伝え続けた。
「僕が言ったことが全て正解ではない。彼らの引き出しが増えていけば良いと思うし、困ったときに何か言っていたな、くらいで良い。何かプラスになれば良いですね」
再調整する藤井や岡田には遠投の重要性を説いた。藤井は紅白戦で1回3安打2失点と結果を残せず沖縄切符をつかめなかった。岡田は右肘のトミー・ジョン手術から再起を目指す。全身を使う遠投を行いライナー性の球を投げることで、指にかかる感覚を取り戻してほしいと願った。
高橋にはツーシームの握り方や心構えを伝授した。「変に変化させようと思わずゾーンに強い球を投げるイメージと教わった」と高橋。“金言”を忘れることなくツーシームの習得に励み、投球の幅を広げるつもりだ。
技術面に加え、黒田アドバイザーが伝えたかったのは考え方や精神面だ。「気持ちの持っていき方、打者との駆け引きの部分を伝えていければと思っていた。そういう部分は多少できたかなと思う」。数々の修羅場をくぐり抜けてきたレジェンドの言葉は、選手の背中を後押ししてくれるはずだ。
4日にチームに合流。5日から本格始動した。15日は東光寺球場で2軍のシート打撃にも目を凝らした。新井監督が「ここまで精力的に動いてくださるとは思っていなかった」と感謝するほど連日、熱のこもった指導が続いた。
今後は未定ながら、できる限り新井カープをサポートしていく。大野練習場や由宇練習場を訪れることもあるといい、電話やLINEなどでも相談があれば助言を送る。
「これだけ見てしまうと、どうしてもずっと気になる。こういう仕事をさせてもらうことになったので、自分なりにできる範囲でチームの力になりたい」
日南の空の下で、黒田球団アドバイザーの言葉は頼もしかった。