カープ坂倉驚弾 右翼越え防球ネットにズドン 新井監督「打撃は抜けてる。捕手の練習を」
「練習試合、広島4-6ロッテ」(21日、コザしんきんスタジアム)
広島・坂倉将吾捕手(24)は21日、ロッテとの練習試合(コザしんきんスタジアム)に途中出場し、七回の打席で右翼フェンスの奥、防球ネットの上部に突き刺す特大弾を放った。捕手専任で守備練習に多くの時間が割かれる中、ひと振りで魅せた。勝負強い打撃は健在。あとは守備向上で正捕手を奪い取る。
完璧だった。坂倉のバットから放たれた打球は右翼フェンスをはるかに超え、防球ネットの上部に当たる特大弾になった。
1点を追う七回2死。途中出場で巡ってきた初打席の初球。ロッテの速球派小野の内角高めを仕留めた。
「球が速い投手だったので振り負けないように、2死で思い切って振っていこうかなというところでいいスイングができた。飛距離?風とバットの芯に当たったので。どこまで飛んだか見てなかったですけど感覚は良かった。風に感謝です」
昨季チーム2位の16本塁打を放ったスラッガー。今年はさらに打撃の柔らかさを追求。自主トレではメジャー移籍した吉田正尚を参考に打撃フォームのマイナーチェンジを試みた。
「参考にしてる部分もあるけど、ヒッチとか、柔らかくするとか、難しいところはあった。元に戻すわけじゃなくて、自分の感覚といいところを取り入れながらやってるところです」
試行錯誤をしながらも19日のDeNAとの練習試合では中堅フェンス直撃の三塁打、この日は一発と結果を出している。今季もクリーンアップとして期待に応えてくれるはずだ。あとは捕手専任となった守備面。新井監督も「打撃は彼は抜けていますので、しっかりと石原コーチと捕手の練習をしてもらいたい」と課題に挙げた。
連日、早出、居残りと石原バッテリーコーチから付きっきりでスローイング、足の運びなど基礎練習を繰り返している。
坂倉は「まだできないことの方が多い。練習ではできることもある。何が良くて何が悪かったのか、自分で分かるようになってきた。試合でそれを出せるようにしないと出られない。必死にやりたいと思います」と悲壮感を漂わせる。
母校・日大三の小倉全由監督が3月末で退任する。中学時代に見いだされプロまで導いてくれた恩師。「必死に頑張れば応援してくださる。頑張る姿を忘れないように、必死にやりたいと思います」と正捕手奪取までがむしゃらに打ち込む。