田村“福留塾”で覚醒奮闘中
プロ2年目・田村俊介外野手(19)が沖縄での1軍キャンプで奮闘を続けている。未来のスラッガー候補として期待される若鯉。新井監督は熱い視線を送るが、実戦で結果が出ない日々。指揮官は日米通算2450安打の元中日・福留孝介氏に“臨時コーチ”を求めるなど、あの手この手を使ってなんとか覚醒させようとしている。
プロ2年目の田村が1軍キャンプで奮闘を続けている。
「順調に来てますけど、沖縄に来てから実戦で結果が出てないので、まず1本は出したいと思います」
18日の紅白戦では3打数無安打、19日の練習試合・DeNA戦では2打数無安打、21日の同・ロッテ戦では2打数無安打、25日の巨人とのオープン戦も途中出場で1打数無安打と快音が聞かれなかったが、26日の中日とのオープン戦で初安打。
「自分の中でちょっと焦ってるなという感じはあります」
次代のスラッガー候補として新井監督ら首脳陣の期待は大きい。指揮官は実戦で結果が出ず悩める19歳に手を差し伸べた。キャンプ視察に訪れた元中日の福留孝介氏に同じ左打者として助言を求めた。快諾した福留氏はスーツ姿のままで直接指導してくれた。
これには田村も感激しきりだった。
「小さいころからテレビで出ていた選手。すごい選手なので超プラスというか。教えてもらったことを続けてやりたいと思います」
指摘は的確で、アドバイスは練習方法まで多岐にわたった。
「右足の使い方が反動を使って打つ感じになっていた。反動を使わずに右足の使い方を“ゆっくりいけ”と教えてもらいました。それをなくすための練習方法も教えてもらいました。今までやったことのない練習だったので、感覚的に難しいものがありましたけど、ちょっとずつ慣れてきました。実戦でもその形ができるようにしたい」
これだけではない。23日は試合後に田村一人だけグラウンドに残って指揮官からも直接指導も受けた。期待に応えたい思いは強くなるばかりだ。
「去年を思い返してもあっという間に終わった。今年はしっかり結果を出して次の年にいい形でつなげられるようにしたい。まずはプロ初安打を目標にやりたい」
この1カ月、1軍キャンプで得た経験は必ず今後の糧になるはず。左の強打者に成長して期待に応えてみせる。
◎田村 俊介(たむら・しゅんすけ)2003年8月25日生まれ、19歳。京都府舞鶴市出身。左投げ左打ち。外野手。178センチ、93キロ。愛工大名電では投手兼一塁兼三塁手として3年夏に甲子園出場。東北学院戦で夏の甲子園通算1700号を放つ。21年のドラフト4位で広島から指名を受けた。昨年は2軍で43試合に出場し、打率・185、0本塁打、11打点、1盗塁。