「オープン戦、ソフトバンク０－２広島」（４日、ペイペイドーム）

　頭で描いた通りのスイングを体現した。途中出場の広島・田村俊介外野手（１９）がオープン戦初の長打を放ち、開幕１軍に向けてアピールに成功だ。「しっかり振った中でヒットが出たので良かった」とホッとした表情を浮かべた。

　四回の守備から左翼に就くと、見せ場は八回に訪れた。１死から又吉の初球１４０キロを鋭く振り抜き、右翼フェンス直撃の二塁打。打席に向かう前、朝山打撃コーチから「中に入ってくる球を狙うなら、しっかりライト方向に引っ張っていけ」と助言され「その球を狙って、言われたことをしっかりできた」と指示通りの快音を納得顔で振り返った。

　キャンプから１軍に帯同し、プロのレベルを体感する日々。もちろん課題も残った。六回は藤井の１５０キロ速球に空振り三振。「やっぱり１軍で投げられている投手は１５０キロを超える方ばかり。真っすぐに差し込まれないように。打者として攻めていけるようにやっていきたい」と、受け身にならないことをテーマにした。

　守備では七回２死で栗原の左線打を素早く処理して、二塁で補殺を記録。攻守で懸命なアピールを続ける１９歳は「チャンスを生かして開幕１軍に入れるように」と闘志を燃やした。１軍生き残りへ、限られた出番で己の存在価値を高めていく。

　◆田村　俊介（たむら・しゅんすけ）２００３年８月２５日生まれ、１９歳。京都府出身。１７８センチ、９３キロ。左投げ左打ち。外野手。愛工大名電から２１年度ドラフト４位で広島入団。愛工大名電では高校通算３２本塁打。昨年はウエスタン４３試合で打率・１８５、１１打点。今年の春季キャンプは１軍で完走。