カープ林 ヤクルト守護神候補W撃ち2二塁打 将も目を細める1軍アピール「しっかり仕留められた」
「オープン戦、広島2-5ヤクルト」(12日、マツダスタジアム)
広島の林晃汰内野手(22)が12日、ヤクルトの守護神候補2人から、2安打1打点とアピールした。五回2死二塁で左中間フェンス直撃の適時二塁打を放ち、八回の先頭でも右越え二塁打を決めた。前日11日から1軍に合流し、結果を出した。昨季の1軍戦出場はなし。悔しさを力に変えて今年を迎えた若鯉が、持ち味の長打力を発揮した。
この試合に懸ける強い思いをバットに込めた。五回2死二塁。得点機で打席に立った林が、左中間フェンス直撃の適時二塁打を放った。打球がグングンと逆方向へ伸びる。持ち味の長打力を見せつけた。
「良い場面で回って来たので、絶対に走者をかえしてやろうと思っていました。しっかり仕留められたのは、すごく良かったです」
ケラの直球を振り抜いた。1軍に合流した前日11日は八回、長谷川の直球に空振り三振を喫していた。速球に振り負けないよう修正した結果だった。
八回の先頭では木沢のカーブを捉え右越え二塁打だ。ケラと木沢はともに守護神候補。右腕2人を打ち崩した打撃は首脳陣に強い印象を残した。新井監督は「良いですね。ファームの方ではずっと状態が良いと報告を受けていた。晃汰は良いものを見せてくれた」と目尻を下げる。
悔しさを力に変えて臨むシーズンだ。21年に102試合に出場。さらなる飛躍と正三塁手奪取を期待された昨季は、打撃不振でまさかの1軍出場なしに終わった。「今年はやり返す、頑張りたいと思っている」。昨秋キャンプは腰痛を発症し離脱。春季キャンプは2軍スタートだった。その中で必ずチャンスがあるとバットを振り込んできた。
“松山塾”入門の成果でもある。今年1月も鹿児島で松山と合同自主トレ。技術面の指導もさることながら、説かれたのは打席での心構えだ。
「しっかりと投手に入って(向かって)いく、どんどん振っていく。それを忘れずにずっと持っておけと言われました」
強い心を持てるようになったことで、どんな場面でも強い自分のスイングができるようになってきた。
数多く打席に立つため、13日からは再び2軍に合流する。この日と同様に内容と結果を残し続けることが昇格につながる。
「本当にチームに貢献できるようにやりたい。それしか考えていないです。がむしゃらにやっていきます」
和製大砲は力を込めた。