4連敗カープに光明 2年目の黒原1回3人斬り 開幕1軍狙い漂う悲壮感「去年はケガで長期離脱」
「オープン戦、ロッテ2-1広島」(21日、ZOZOマリンスタジアム)
広島は逆転負けで引き分けを挟んで4連敗。敗戦の中で光ったのは2年目の黒原拓未投手(23)。オープン戦初登板で1イニングを三者凡退に抑え、開幕1軍入りをアピールした。先発の遠藤淳志投手(23)は7回2失点で順調な仕上がりを披露。開幕2カード目となる4月5日・阪神戦(マツダ)の先発が有力となった。
開幕まであと10日。ようやく巡ってきたチャンスを黒原は逃しはしなかった。
八回にマウンドに上がると先頭の安田を146キロ外角直球で見逃し三振、代打・角中は146キロで左邪飛、最後は藤原をこの日のMAX147キロで押し込み中飛に打ち取った。
「1軍は久しぶりです。どんどん腕振って投げ込むっていうのが持ち味。ストライクを取りに行かずに、腕振って投げられたので良かったと思います」
ドラフト1位として期待された昨季は5月に左肩痛に見舞われ、復帰できないままシーズンを終えた。2年目の今春はキャンプも2軍スタート。この日がオープン戦初登板だった。
新井監督は孝行息子の出現に「ファームからずっといいと推薦があった。今日見て、やっぱりいいなと。いいものを見せてくれた」とニンマリ。森浦、戸根、ターリーに続く左腕の台頭となれば、さらにブルペンの競争は激しくなる。
もちろん黒原もこのまま開幕1軍に滑り込むつもりだ。
「一試合一試合、悔いのないように。アピールしていきたい。去年はケガで長期離脱して、満足に野球をしてなかった。取り返す気持ちで、全力でやっていきたい」
悲壮感を漂わせた。地獄を見た男は強くなって帰ってきた。