新井カープ遠い初白星 初登板の守護神・栗林まさかも指揮官「信頼は変わらない」

 9回、大山に適時二塁打を打たれ、勝ち越しを許す栗林(撮影・立川洋一郎)
 本拠地開幕戦で阪神に競り負け、頭を下げる新井監督(撮影・田中太一)
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 「広島4-5阪神」(4日、マツダスタジアム)

 本拠地開幕戦でも悪循環は止まらなかった。広島は同点に追いついた直後の九回、つぎ込んだ守護神・栗林良吏投手(26)が今季初登板で決勝点を許した。2013年以来、10年ぶりの開幕4連敗。新井貴浩監督(46)は球団の新人監督としては、5連敗した1973年の別当薫監督以来、50年ぶりとなった。マツダスタジアム通算500勝もお預けとなった。

 2万9329人。満員のマツダスタジアムに悲鳴がこだました。

 同点の九回2死二塁。今季初登板となった守護神・栗林がカウント1-1からの直球を大山にはじき返され、左中間への決勝二塁打とされた。

 「応援のすごさも感じましたし、緊張感っていうのか、すごい感じた。それを力に変えられなかった自分の実力不足です」

 開幕から4試合目。ようやく訪れた初登板だった。侍ジャパンとして参戦したWBCを腰の違和感により、1次ラウンドで離脱。なんとか開幕に間に合わせた。「シーズンで活躍することが栗山監督とか、関わってくださった方々への恩返し」と誓っていた。

 登板した状況が特殊ではあった。開幕3連敗で迎えた本拠地初戦。勝てば新井監督の初勝利でもある。チームのさまざまな思いを背負って向かったマウンド。新人から2年連続30セーブ以上を記録する守護神であっても気負いがあった。

 「せっかく追いついて、いい流れのところだったので、絶対抑えたいという気持ちも強かった。平常心で行こうって思い過ぎた。気持ちが高ぶったままマウンドに行けたらもっと違う結果になったかなと思います。そういうところをできないとダメなところかなとは思いました」

 反省の弁ばかりが口を突いた。それでも指揮官は「ウチのクローザー。信頼は変わらない」と言った。

 白星に手が届きそうなところまではきていた。打線は先行されても2度追いつく粘りを見せた。

 「そういうみんなの気持ちもすごく伝わっている」

 開幕4連敗。真っ赤に染まるスタンドはずっと熱い声援を送ってくれた。なんとか応えたい。指揮官も選手たちも気持ちは同じ。強すぎる思いが空回りした。九回の攻撃は代走・大盛がけん制死(記録は盗塁死)。それでも責めることはなかった。それが新井流。

 1つ勝てばマツダスタジアム通算500勝の記念星。ひときわ大きな歓喜が待っている。今は我慢の時だ。(達野淳司)

 ◆19年ぶり開幕4戦4敗… 広島の開幕4連敗は2013年以来、10年ぶり。この年は1分けを挟む5戦4敗。08年も開幕4連敗だったが、開幕戦の引き分けを含め5戦4敗だったため、開幕4戦4敗は2004年以来、19年ぶりとなる。なお、球団ワースト記録は54年の開幕7戦7敗。

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