広島2軍 中村奨成が限られた出場で猛アピール 打率・667 好調の要因は2つの“変化”

 広島の中村奨成捕手(23)が一振りにかけアピールを続けている。ここまでウエスタン・リーグで5試合に出場し6打数4安打、打率・667。代打での出場が4試合、守備からの途中出場が1試合と限られた中で結果を残している。打席での心構えに変化が生まれたことと昨年オフの肉体改造が好調の要因だ。

  ◇  ◇

 積極性が安打を生んでいる。代打という限られた出場機会でも中村奨は初球からフルスイングを貫く。「どんどん振っていって、甘い球を一振りで仕留められている」。自身の“開幕ダッシュ”成功を自己分析した。

 今季は5試合に出場。スタメン出場は一度もなく代打出場が4試合、守備からの途中出場が1試合だ。その中で6打数4安打、打率・667と存在感を示している。

 凡打を恐れない心構えが好調の要因だ。アピールするために結果を最優先に置きながら、その上でアウトになったとしても良い内容の当たりなら前向きに捉えるようにした。

 新井良2軍打撃コーチにも背中を押されたという。「凡打OKと言ってもらった。例えば引っかけてしまったとき、今までダメだなと思っていたけど『ヘッドが効いているところで打てているから良いよ』と」。常に前向きに考えることが好循環につながっている。

 スイングにも手応えがある。昨季オフに着手した肉体改造の成果だ。シーズン終了後に81キロだった体重は現在、85キロまで増えた。4キロ増により確実に力強くなり「スイングスピードが上がった」と実感する。春季キャンプから打撃練習では昨季以上に飛距離が出ている。

 キャンプ中に右肩を痛めた影響もあり、スタメンマスクはまだない。それでも順調に回復しており、守備に不安はなくなってきた。バット以外でもアピールを誓う。

 昨季は1軍で前年の39試合を下回る27試合に出場。7月7日に出場選手登録を抹消されて以降、1軍昇格を勝ち取れなかった。

 「去年、1軍で代打で出たときは初球から振れなかった。今は代打で出ても振り切ることができている。それはこれからにつながっていくと思う」

 恐れることなくバットを振り虎視眈々(たんたん)と昇格を狙う。

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