菊池から!!広島サヨナラ 4年目・韮沢が代打で延長十二回“大仕事”劇的プロ初打点 憧れ菊池とお立ち台

 延長12回、サヨナラとなる押し出し四球を選びガッツポーズをする韮沢(撮影・田中太一)
 延長12回、韮沢(右奥)がサヨナラ四球を選ぶと、ベンチから飛び出して大喜びする菊池
 1回、プロ通算1500安打を放った菊池はボードを手にする菊池
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 「広島3-2中日」(27日、マツダスタジアム)

 最高の結末となった。延長十二回、2死満塁から韮沢雄也内野手(21)が押し出し四球を選び、プロ初打点でサヨナラ勝ちを収めた。起点となったのは初回に通算1500安打を達成した菊池涼介内野手(33)で、自身3年ぶりの5安打となる、中前打での出塁から劇的な決着を導いた。昨季からのマツダスタジアムでの中日戦連敗を「4」で止め、チームは単独3位となった。

 代打で打席に立った韮沢がボール球を見送り、右手を突き上げた。サヨナラの押し出し四球。それに呼応するように、一塁ベンチも大興奮。球場全体が一気に熱気に包まれた。今季初の延長戦、4時間5分に及んだ戦いは劇的なフィナーレ。「最高です」と喜びを表現した。

 延長十二回2死一、二塁で西川が申告敬遠で一塁へ歩き、打席が巡って来た。ベンチ入り野手では最後の一人。「(西川が)歩かされると思っていたので、僕が決めるしかないと思っていた。焦っていた」と心境を明かしながらも、しっかり仕事を果たした。プロ4年目で初の開幕1軍を果たした今季。「常に必死で食らい付いている」と歯を食いしばり、歓喜の輪に加わった。

 そんな韮沢が「いつか超えたい」と憧れるのが、お立ち台で並んだ菊池だ。菊池は初回先頭で柳から三塁への内野安打を放ち、史上132人目の1500安打を達成。「鮮やかなヒットではなく、僕らしいかなと思った」と笑顔を見せた。

 三回1死ではボテボテの打球だったが、再び三塁への内野安打。2点を追う八回先頭では左越えの二塁打で好機を演出し、その後の同点劇につなげた。九回2死では左前へ運び、延長十二回は先頭で中前打。2020年9月4日・DeNA戦(マツダ)以来の1試合5安打。勝利に欠かせない働きを披露した。

 通算1429試合目の出場で達成した、節目の記録。プロ12年目の男は「小さい頃から失敗や悔しいことがいっぱいあるけど、野球を嫌いにならず大好きでいることが一番。地元で決めることができてうれしく思う。今まで手伝ってくれた裏方の方に感謝したい」と思いを明かした。

 若手の粘りと主力の力がかみ合っての勝利。新井監督も「全員でたぐり寄せたサヨナラ勝ちだったと思う」と興奮気味に振り返り、菊池を「あれだけ守備での貢献がありながら、1500安打は本当にすごいこと」とたたえた。「これからも来た球を、ひたすら打ちたい」と菊池。唯一無二の存在感を示し、攻守で広島を支える。

 ◇韮沢 雄也(にらさわ・ゆうや)2001年5月20日生まれ、21歳。新潟県出身。177センチ、83キロ。右投げ左打ち。内野手。背番号54。花咲徳栄では1年春からベンチ入り。夏の甲子園に3年連続出場。19年度ドラフト4位入団。

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