広島・坂倉は捕手として一本立ちする日はやってくるのか? 評論家が「今が正念場」
広島・坂倉将吾捕手(24)のベンチスタートが目立つようになってきた。ついには規定打席数を下回り、打率ランキングから名前が消える事態に。“捕手業”のカベは高くて厚いのか。デイリースポーツ評論家の岡義朗氏が打開策を探った。
◇ ◇
坂倉がここ2試合、先発マスクをかぶっていない。DeNA戦では満塁本塁打の翌日に1試合2安打と気を吐いたのになぜだろう。
やはりまだ打撃が本調子ではないのか。それとも捕手としての仕事に行き詰まっているのか。どこか具合が悪いのか。
いずれにしろ、今のところベンチの期待に応え切れていないのは確かでしょう。
ベンチの期待とは…それは打てる捕手。なのに現状は期待ほど打てていない。開幕当初よりは上向いてきているが、打率は2割5分程度で三振が目立っている。そうなれば当然、扱いは厳しくなる。
捕手という仕事が難しくて大変なのは言うまでもない。打たれるのは配球に問題があり、モーションを盗まれて盗塁されても捕手の責任。
試合中に予測されることは山ほどあるし、あらゆるデータを頭に入れておかなければならない。投手全員の特長も把握しておく必要がある。
立場はチームの要。だから“捕手は守るだけでいい”と言う監督もいる。しかし、広島は「打って守れる」捕手に坂倉を指名し、本人もそれを望んだはずだ。ならばこのカベを乗り越えるしかない。
キャンプではバッテリーコーチが付きっきりで、送球練習に時間を割いていた。内野手兼任から捕手一本に戻して取り組む姿に本気度を感じたが、この捕手としての真剣な取り組みこそが、逆に自身の長所を殺してしまっている原因と言えるかもしれない。
単純に考えよう。ベンチの期待は?坂倉の特長は?それはあくまでも「打つ」ことが大前提であるはず。ベンチは打てるから使ってくれるのだ。坂倉=打力という原点を思いだし、ひたすら結果を出す。今が正念場、頑張りどころだと思うね。