カープ林 シンプルに大きく構えて昇格猛アピ ウエスタンでチーム3冠王
広島・林晃汰内野手(22)が2年ぶりの1軍昇格へ向けてアピールを続けている。8日現在ウエスタンリーグでは打率・297、4本塁打、16打点とチーム三冠王。2日からのオリックス3連戦では10打数5安打の打率・500、1本塁打、5打点と好調を印象付けた。
4番の風格すら漂ってきた。林は2日のウエスタン・オリックス戦(杉本商事)でバックスクリーンへ4号2ランを放った。
「センター中心にと思っているのでいいかなと思います。うまく捉えられた」
みなぎる自信は堂々とした受け答えにも表れた。
昨季は1軍昇格なし。未来の大砲候補と期待されながら2軍でも打率・217、2本塁打、27打点と不振に終わった。シーズンオフには自らを見つめ直した。
「シンプルにしっかり立って、大きく構えてタイミングを早くとる。難しくしたら打てないのでそれをどれだけ継続できるか。それが今年のテーマです」
昨季まではグリップの位置やバットの入れ方など、試行錯誤を繰り返した打撃フォーム。すべてを白紙に戻した。一球一球、バットを高々と掲げてから大きく構える。早めにトップの位置を作り、ボールを待つ。シンプルにしたことで迷いなくバットが出るようになった。
「自主トレからやっていることは変わらない。継続してやりたいようにできているのが一番かなと思います」
打率・297、4本塁打、16打点の成績だけではない。3日・オリックス戦(くら寿司)では追加点の欲しい終盤にきっちり適時打を放った。高2軍監督は「ずっと調子はいい。1軍へ推薦はずっとしています。いつ呼ばれてもいい状態」と太鼓判を押した。
あとは1軍首脳陣の判断になる。将来を考えても代打で起用するタイプではない。ポジションは一塁か三塁。昇格となれば、マクブルーム、デビッドソンのどちらかを押しのけることになる。開幕から100打席を超えても調子の上がらない助っ人コンビに取って代われるか。
林は「いつでもいく準備はできている。いつ呼ばれてもいいようにしています」と力強く言い切った。
10本塁打を放った21年以来の1軍昇格へ向けて、和製大砲は打ち続ける。
◆林 晃汰(はやし・こうた)2000年11月16日生まれ、22歳。和歌山県出身。182センチ、100キロ。右投げ左打ち。内野手。背番号44。智弁和歌山2年夏の甲子園では興南戦で本塁打。3年夏も甲子園に出場するが初戦で近江に敗れた。18年のドラフト3位で広島に入団。昨季の1軍出場はなし。21年には打率・266、10本塁打、40打点の成績を残した。