カープ秋山 日本通算1500安打 バウアーに雪辱の先制V撃も!2位・DeNAに0・5差
「DeNA5-7広島」(16日、横浜スタジアム)
広島・秋山翔吾外野手(35)が史上133人目となるNPB通算1500安打を達成した。1286試合目での到達は歴代7位のスピード記録。初回から2打席連続適時打で、前回3日の対戦で来日初勝利を献上したバウアー攻略の起点になった。四回に節目の安打を放つなど今季2度目の4安打固め打ち。チームは貯金を今季最多タイの3とし、2位・DeNAに0・5ゲーム差に迫った。
いつもと変わらぬ全力疾走で一塁を駆け抜けると、「H」ランプがともった。節目の1500安打は二塁への内野安打。球場全体から注がれる温かい拍手を受け、秋山は頭を下げた。地元・神奈川で打ち立てた金字塔。「この2週間(遠征で)大変ですが、思い出に残る一本になったと思う」と振り返った。
残り3本で臨んだ一戦。節目の一本は2打数2安打で王手をかけて迎えた四回2死に生まれた。松山から記念のボードを手渡されて、歓声を受ける背番号9。「どんな形でもヒットのランプがつけば前向きになってやっていける。それを積み重ねていくだけ。ああいうヒットもあって、いいんじゃないですかね」と控えめに笑った。
相手は前回3日の対戦で来日初勝利を献上したバウアー。その難敵攻略にも大きく貢献した。初回1死三塁で右翼線へはじき返し、先制の適時二塁打。初回一挙4得点の口火を切った。二回は1死一、二塁で左前へ運ぶ適時打。記録達成後の七回には中前打を放ち、今季2度目の4安打と勢いは止まらない。
4安打中、3安打は追い込まれてからの一打。「追い込まれた以上はバットに当てて、それがどこに飛んでいくか、ということの方が重要」。しぶとく、泥くさく。簡単に終わらない打席での姿が、味方に勇気を与える。
根底にあるのは、どんな状況でも一本の安打を生み出すこと。決して「調子」という言葉にとらわれてプレーすることを好まない打撃職人。「(結果が)良かった次の日ほど、どの打席かで一本出すという。悪かった次の日でも2本、3本と欲しがるのではなく、一本打つ。その繰り返し」。目の前の打席で最善を尽くす。それはこれからも変わらない。
新井監督も「開幕から素晴らしいとしか表現できない。自分自身に対してストイックで厳しい。生きた手本なので、若い選手は勉強してもらいたい」と賛辞を惜しまなかった。
8日から始まった2週間に及ぶ遠征での勝率5割以上を確定させて、ビジターは残り5試合。「いっぱい打った次の日こそ雑にならないように」と秋山。広島が誇るバットマンが、敵地に勝利の彩りをさらに加えていく。