広島・九里 痛恨“悲”弾 牧にソトに右に左にやられた 1000投球回到達も勝利ならず
「DeNA7-4広島」(17日、横浜スタジアム)
広島が痛恨の逆転負けで2位浮上を逃した。先発・九里亜蓮投手(31)は七回まで3失点の粘投。しかし4-3の八回、味方の失策も絡んでピンチを迎え、牧に悪夢の逆転3ランを浴びるなど一挙4点を失った。この日は史上363人目となる通算1000投球回に到達したが、白星を挙げることはできず。この悔しさを必ず、次戦への糧にする。
マウンドを降りてベンチに向かう途中で、自身への怒りが膨れ上がった。頭上に掲げたグラブを、太ももにたたきつけた九里。グラウンドに背を向け、ベンチの一番端で数秒間、うつむき続けて悔しさをあらわにした。「チームに勝ちが付くような投球ができなかった。しっかり受け止めて、またやっていくだけだと思う」。唇をかみ、試合後は懸命に前を向いた。
順調に進んでいた勝利へのシナリオは、1点リードの八回に砕け散った。先頭の佐野に四球を与え、犠打で1死二塁。ここで3番・宮崎の打球を三塁・デビッドソンが後逸して一、三塁とピンチが広がった。そして4番・牧に2球目を右翼スタンドに突き刺された。
続くソトに左中間へのソロを浴び、7回1/3を8安打7失点(自責点6)で無念の降板となった。この日の五回に通算1000投球回に到達。「ここまで投げさせていただいたチームスタッフの皆さんに本当に感謝しかない」と話したが、節目の一日を笑顔で振り返ることはできなかった。
悪夢のような逆転被弾。目を覆いたくなるような結末にも「打たれてしまったものは打たれてしまったもの。何の言い訳もない。チームが勝っている状況でマウンドに上がらせていただいて、逆転されている。悔しい」。敗戦の責任を背負い込む姿に、自覚がにじんだ。
球数は七回終了時点で84球。新井監督は「水曜日ということもあるし、『もう1イニング任せたぞ』と」と続投の理由を説明した。6連戦の2戦目でもあり、先発陣の中心でもある背番号11にマウンドを託した。開幕から奮闘する右腕に「今までずっと、いい投球をしてくれているからね。きょうは“九里の日”じゃなかった」と心境を思いやった。
八回は先頭の西川が右前打で出塁するも、続くデビッドソンの打席で、けん制死。接戦の終盤に、攻守で出たミスが、流れを手放す形となった。「流れ的にも、あまり良くなかったけど、そういうこともある。ミス、エラーは付き物。その次にどうするかが大切」と受け止めた新井監督。敗戦をバネにして、18日の一戦で3カード連続の勝ち越しを狙う。
◆通算1000投球回 広島・九里投手が17日のDeNA8回戦(横浜)で達成。プロ野球363人目。初登板は14年3月29日の中日戦。