広島・中村貴浩 非凡!技ありプロ初安打 2軍プレー時から他球団も認める打撃、17日支配下登録スタメン3戦目で
「広島1-3中日」(23日、マツダスタジアム)
非凡な打撃技術を示したプロ初安打だ。五回無死。先頭で打席に立った広島の育成ドラフト2位・中村貴(九産大)が左前打を放った。内角高めの直球に対しバットを内側から出す技ありの一打だった。
「あまり絞ったりとかなくて、来た球を打った。うれしかったなって感じです」
17日に支配下登録され、この日が3試合目のスタメン出場だった。10打席目で放った1本。記念球は福岡の実家に送る。
クセのないスイングが特徴。東出2軍打撃コーチは春季キャンプから「良いんだから何も触っていない」と目を細める。ある2軍戦ではネット裏から視察した他球団の編成が「どうしてこの選手が育成なんだ」と言ったこともあった。
負けん気も武器だ。2軍戦で内角を攻められ続けた打席では、さらに内側に立ったことがあったという。勝負に懸ける強い気持ちも頼もしい。
1-3の九回1死二塁では守護神マルティネスの前に空振り三振。150キロ台中盤の直球とスプリットに翻弄(ほんろう)された。
「勝ちに貢献できなかった。しっかり勝てるように、配球とかを勉強して打てるように頑張ります」
喜びも悔しさも新しい力に変え、力強くグラウンドに立ち続ける。
◆中村 貴浩(なかむら・たかひろ)2000年4月9日生まれ、23歳。福岡県出身。177センチ、85キロ。右投げ左打ち。外野手。九国大付、九産大を経て2022年度育成ドラフト2位で広島入団。今季ウエスタンでは34試合で打率・276、3本塁打、20打点。5月17日に支配下登録。