広島・田中 952日ぶり猛打賞!5割復帰だ スタメンに応えた三回3号3ラン 「中堅、ベテランがカバーして勝ち試合に」

 3回、3ランを放った田中は歓喜しながらベンチへ向かう(撮影・田中太一)
 3回、3ランを放つ田中
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 「広島6-4ヤクルト」(26日、マツダスタジアム)

 広島・田中広輔内野手(33)のバットがチームを勝利へと導いた。3点リードの三回1死一、三塁の好機で右越えに3号3ラン。二回には二塁打、五回には中前打を放ち、自身952日ぶりの猛打賞を記録し、1週間ぶりのスタメン起用に応えてみせた。チームは勝率を5割に戻し、マツダスタジアムでのヤクルト戦は4連勝となった。

 一塁を蹴ると、田中は右手を力強く握って感情を表した。一振りでスタンド全体を興奮の渦に巻き込んだ放物線。本拠地に笑顔の花を咲かせた、価値ある3号3ラン。「芯に当たってくれたので、行くかなと思った。(手応えは)良かったですよ。久しぶりにね」と笑顔で振り返った。

 3点リードの三回だ。1死一、三塁で高梨の外角高めスライダーを捉えた。「チャンスだったので高めに来たら振ろうと思っていた。浮いた変化球を仕留めることができた」。狙ったゾーンに来た球は逃さない。打球は右翼席に吸い込まれた。

 4月16日・ヤクルト戦以来の一発。二回先頭では右翼線への二塁打で好機を演出し、五回2死からは中前へ運んだ。あと三塁打でサイクル安打という大活躍。猛打賞は952日ぶりとなり「僕も久しぶりに打ったと(感じた)」と勝利に貢献できた喜びに浸った。

 先発出場は19日・阪神戦以来。代打で出番を待つ日もあれば、スタメンの日もある。試合に入る段階での難しさも伴うが「変わらず準備だけはしっかりして、いつ試合に出てもいいように」とサラリと言った。新井監督も「本当に頼りになる。どんな時でも、彼が最高の準備をしている姿をこちらは見ている」と、努力を怠らない姿勢に賛辞を贈った。

 19日には、甲子園室内で行われた試合前練習で、1軍初昇格だった中村貴に練習の流れを伝えるなどサポート。この日は、プロ初先発の黒原を攻守にわたってもり立てた。

 若手時代、先輩からは「ミスを恐れずにやれよ」と温かく背中を押された経験がある。今度は自分が背中を押す立場。「若い選手がミスをしても中堅、ベテランが何とかカバーして勝ち試合にする、そういうチームは強くなるし、若い子も育つと思う。若い子がミスをして負けると萎縮してしまうケースもある。ベテラン、中堅がカバーして勝ちゲームにしてあげること心がけている」。心強い言葉に自覚がにじんだ。

 チームは勝率5割に復帰し、ヤクルトには4連勝だ。献身的で心優しい姿勢が、周囲の胸を打つ。プレーと存在で、これからも新井カープを支えていく。

 ◆田中、952日ぶり猛打賞! 田中の猛打賞は2020年10月16日・中日戦(マツダ)以来、952日ぶり。今季の複数安打は2安打した14日・巨人戦以来2度目となった。

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