広島・西川 6年ぶり交流戦4連勝導いた!今季最多貯金4 「秋山さん『お先です』」から3戦ぶり快音マルチ&タイムリー

 3回、先制の中前適時打を放つ西川(撮影・開出牧) 
 7回、左前適時打を放つ西川
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 「ロッテ2-3広島」(9日、ZOZOマリンスタジアム)

 広島・西川龍馬外野手(28)がチームを今季3度目の4連勝へ導いた。三回に先制適時打。1点リードの七回には貴重な追加点となる、この日2本目の適時打で2安打2打点と躍動。バットで攻撃陣をけん引した。苦手の交流戦で2017年以来6年ぶりの4連勝。交流戦首位タイをキープし、貯金は今季最多の「4」になった。

 研ぎ澄まされた集中力で、敵軍にダメージを与えた。卓越した打撃技術で、ナインを歓喜へいざなった。勝負強さを遺憾なく発揮した西川のバット。苦しみ続けた過去に別れを告げる、大きな白星を幕張の地で刻み込んだ。

 まずは三回2死一、二塁。「真っすぐはファウルで入りながら、たまたま内角(を狙った)球が甘く入って来たので合った」。3球で追い込まれたが、ここからが西川の真骨頂だ。その後はカーブ、ストレート、カーブと3球連続ファウル。最後は真ん中に入った7球目の直球を逃さず、中前へはじき返した。

 これだけでは終わらない。1点リードの七回は2死二塁で左前適時打。カウント1-2から内角直球を追っつけ、しぶとく野手の間を抜いた。適時打はいずれも追い込まれてから。「引っ張りにいくと(相手に)やられるので」。余計な欲を捨てて快音を奏でる。らしさが詰まった2安打が、勝利を近づけた。

 前カードの日本ハム3連戦では7日から2試合続けて無安打。3番・秋山も同様に、2試合とも安打が出ていなかった。それが“伏線”。この日は三回の打席に向かう前、秋山にいたずらっぽく告げた。「『お先です』と言ってから(打席に)行った。秋山さんも続いてくれたので、なお良かった」。当意即妙なひと言を添えて、バットで現実に変える。“男前”な一打が、流れを引き寄せた。

 この日は9番に入った野間が、3安打1盗塁。2安打が得点に絡んだ。チームは今週4試合で計14得点。そのうち13点を2死から挙げており、今宵の3点も全て2死から生まれた。さらに野間の二盗でチーム盗塁数は昨季の26個に並んだ。

 新井監督は「チーム全体として走塁への意識がすごく高まっている」と手応えを深め、「みんなの気持ちの粘りというのが、ここ数試合の2死からの得点につながっていると思います」とナインの高い集中力をたたえた。

 目指す野球が凝縮されてつかんだ4連勝。開催3季連続最下位で迎えた交流戦は6勝4敗と足取りは順調だ。「気を抜くことなく1試合1試合、戦っていきたい」と西川。もう鬼門とは言わせない。

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