新井カープ 大胆采配も6度目サヨナラ負け 龍馬に代走!マクブルに代打!「勝負をかけるところだと」
「ロッテ5-4広島」(10日、ZOZOマリンスタジアム)
広島は12球団ワーストタイとなる6度目のサヨナラ負けで、連勝が4で止まった。同点の九回に登板した栗林良吏投手(26)が藤岡にサヨナラ適時打を浴びて6敗目を喫した。光明は1点を追う七回に一時逆転した攻撃陣。新井貴浩監督(46)は西川に代走、1死満塁でマクブルームに代打を告げるなど、大胆に動く采配で勝利への執念を示した。
白と黒の人波が揺れる。一進一退のシーソーゲーム。歓声と悲鳴が入り交じるグラウンドで、最後はカープナインが肩を落とした。12球団ワーストタイとなる6度目のサヨナラ負け。だが、新井監督は努めて前を向き「仕方ない。思い切って行ってくれた」と悔しさに耐える右腕の心境を思いやった。
同点の九回、栗林は先頭の佐藤都に四球。1ストライクからボールが4球続き、嫌な流れが漂った。安打と犠打で1死二、三塁となり、最後は藤岡に中前適時打を浴びた。
「そこしかないと思います」。栗林は先頭への四球を猛省した。ZOZOマリンでの登板は2年ぶり。風の影響には「元々、風があると分かっていたので、そんなに気にはならなかった」と振り返った。4-3の八回はターリーが2死二塁から角中に同点の適時二塁打。9戦連続無失点中だった左腕が、5月12日以来の失点を喫した。
指揮官は「やっぱり、ここの球場は投手が難しい」と球場を支配する強風に言及。「(先発の)後から行く投手は、なかなか感覚をつかむまでの時間がない。ニック(ターリー)も栗林も難しかったと思う」と、慣れないマウンドで懸命に腕を振ったリリーバーたちをかばった。
攻撃では1点を追う七回に同点とし、なおも1死二、三塁で秋山が中堅へ一時勝ち越しの適時二塁打。打ち取られたと思われた打球が、左翼から一塁方向に吹いていた6メートルの風もあってポトリと落ちた。一度は赤ヘルの背中を押したマリンの風。だが、最終盤に味方してくれなかった。
七回1死から代打・坂倉の左前打を皮切りに4連打で2点を奪って一時逆転。適時打を放った西川に代走・曽根を送り、勝ち越してなおも1死満塁ではマクブルームに代打・野間を告げた。
新井監督は「勝負をかけるところだと思い、どんどん動いていった。(マクブルームの打席での)反応の仕方を見て、野間も調子を上げてきている(ので)」と執念采配の意図を明かした。攻めに転じ、機を失することなく束になる。敗戦の中で示した一気呵成(かせい)の攻撃を次戦の白星につなげる。