大野豊氏が涙の弔辞 ともにカープ黄金期支えた後輩「ペイ」へ「これからもずっと一緒です」
広島OB会長の大野豊氏(67)が19日、広島市内で行われた北別府氏の葬儀で、涙を流しながら弔辞を読んだ。黄金期の「投手王国」を支えた仲間との早すぎる別れを惜しみながら号泣し、思い出を語った。
弔辞の冒頭。大野氏は「北別府学くん、いや選手時代と同じ様に『ペイ』と呼ばせてください」と言うと、涙で言葉が詰まった。優しい表情の遺影を前にすると、感情を抑えきれなくなった。
ともに投手王国の柱として、広島の黄金期を築き上げた。大野氏にとって2歳年下の北別府氏は特別な存在だった。「精密機械」を称され、針の穴を通すと言われた制球力に強い憧れがあった。「(投手の)全ての要素を兼ね備えていた。真のエースは北別府」と言い切る程だった。
北別府氏が闘病生活を送っていた今年3月。広島OBが一堂に会したレジェンドゲームで、大野氏は後輩の現役時代の背番号「20」のユニホームを着てマウンドに上がった。
病魔に立ち向かう「真のエース」を勇気づけるためだった。弔辞では「覚えていますか?これからもわれわれはずっと一緒です」と語りかけた。その雄姿は決して忘れない。
ひつぎは真っ赤なカープカラーだった。「赤にして、というのはペイらしい」。最後の対面を終えると、「声をかけたら返事がするんじゃないかという感じはありました。穏やかな表情をしていたよ」。長い闘病生活を送った後輩をねぎらうように声をかけ、見送った。