カープ床田 9安打許すも勝利呼ぶ粘投 新井監督「ベイスターズ打線を相手に、ナイスピッチング」
「広島3-2DeNA」(27日、マツダスタジアム)
塁上をにぎわせても、致命傷は負わない。広島・床田寛樹投手(28)は己を信じてマウンドに上がり続けた。7勝目こそ逃すも、7回2失点。「調子はそんなに悪くはなかった」。今季ワーストタイの9安打を許しながらも要所を締め、勝利への下地を整えた。
初回1死三塁から、佐野の適時内野安打で先制点を献上。六回は戸柱の遊ゴロの間に勝ち越しを許すも、追加点は与えなかった。
同点の七回は1死一、二塁で牧を遊直。最後は宮崎を、この日最速タイの147キロ直球で押し込んで二飛に料理した。「(六回で)もしかしたら交代かなっていうのも頭にあったけど(七回も)行かせてもらえた。ピンチはつくりましたが、何とか粘れた」。傾きかけた流れを、その左腕で引き戻した。
序盤から不運な安打も浴びた。三者凡退は二回と五回のみ。「ヒットを打たれても、そこまで変えずにいつも通り投げました」。自分自身に対して浮かんでくる疑問符を消し去り、粘り強く耐え抜いた。新井監督も「勢いのある強力なベイスターズ打線を相手に、ナイスピッチングだった」と評価した。
相手の主砲・牧に対しては4打数無安打に封じ、宮崎も内野安打1本にとどめた左腕。カード頭を託された男は価値ある仕事を果たして、2戦目以降にバトンをつないだ。