カープ秋山で逆転3連勝 復調兆し15打席ぶり安打&決勝犠飛 新井監督「あの場面で最高の仕事」
「広島3-2DeNA」(27日、マツダスタジアム)
広島の秋山翔吾外野手(35)が決勝犠飛でチームを3連勝に導いた。2-2の八回1死三塁で中犠飛を放った。六回には15打席ぶりの安打となる右前打で好機を広げ、この回の同点劇につなげた。苦しんできたバットマンの一打で、貯金は今季最多タイの4。首位・阪神とは4ゲーム差。虎の背中も見えてきた。
感情が戻った。菊池が勝ち越しの本塁を奪うと、秋山は一、二塁間で力強く両手を合わせた。2-2の八回1死三塁で決勝の中犠飛。接戦を勝ち切り、チームを3連勝に導く価値ある一打だ。
「ああいうところで(打ち)上げて、少しずつ取り返していかないといけない。勝っていくとなったら少し、試合に参加しているという気持ちになれるかなと思いました」
すくい上げたのは低めのスライダー。膝を深く折りながら食らいつく姿に勝利への執念があった。新井監督は最敬礼。「あの場面で最高の仕事をしてくれた」とたたえた。
長いトンネルを抜けるきっかけとする一本もあった。六回1死一塁で右前打を放った。前カードの巨人3連戦は無安打。「H」のランプをともすのは6月18日の西武戦以来、15打席ぶりだった。
「いろんな変化に対して反応が悪い。それは技術の問題なので」
休日だった26日。秋山は球場を訪れ、マシン打撃で汗を流した。チームからは、休日は体調面を整えたりリフレッシュなども含め、バットを置いた方が良いという声があった。
その言葉に感謝しながら、バットを振り続ける理由を明かしてくれた。
「今の状況で休んでいても、こんがらがった頭がスパンとほぐれる感じがない。少し時間をかけ、これっていうものが見つからないかなと思っています」
打撃の引き出しは誰よりも多い。過去にもバットを振り続けることで不振を脱出してきた。「結果が出ていないのは苦しいけど、取り組んでいること自体、時間を費やしていること自体は苦しくない。やらずに結果が出たとしても長く続かない」。きっぱりと言い切った。
3得点全てに絡み勝利に貢献。今季苦手とするDeNA戦で初戦を白星発進できたことでチームは勢いに乗る。貯金は今季最多タイの4だ。
六回、久しぶりの安打にも笑顔はなかった。「この一本だけでは喜んではいけないという感情が働いたのかなと」。高みを見据え続けるその言葉が、頼もしかった。